アイメイク濃すぎない?
投稿者:むぎちょ (1983年生まれ/女性/埼玉県在住)
私がいまだに忘れられない生徒の一言は「アイメイク濃すぎない?」と言われたことです。
しかも相手は小学4年生の男子でした。
実は昔、女子の友人に「あんたは目が小っちゃいからきちんとメイクしないと駄目だよ、気を抜いてるの?!」と言われて以降、コンプレックスと、気を抜いていると周りから思われないだろうかという恐怖がどうしてもぬぐえませんでした。
少しでも大きく見せようとアイメイクを濃くしていましたし、また、アイメイクをしていると顔全体が「メイクしている顔」に見えるので、わざと黒や紺のアイライナーやアイシャドウを使って濃くはっきり見せるようにしていました。

その小学生男子に言われた日は雨で、学校に行く前にメイクが落ちてしまったら困る…と思い余計に濃くしていました。
すると教室に入ってそのS君が私に「アイメイク濃すぎない?」と指をさしていってきたのです。
誤解が無いように伝えると彼は決してデリカシーの無いタイプではありません。
人を指さすようなことはほとんどしませんし、どちらかと言えばインテリなイメージの少年でした。
彼が言ったことで他の生徒が「そうだそうだ!」と同調し始めました。
「きついイメージは似合わないよ!」
「何もしなくても良いじゃん、別にデートするわけじゃないし。」
などと、矢の如くメイクへの駄目だしが始まりました。
仕方なく、次の日から目には何も施さずファンデーションと透明リップだけ塗っていきました。
すると職員室ですぐに女性の年配事務員さんから「そうよ、そっちの方が良いわよ!」と声をかけられたのです。
教室に行っても「それでいいじゃん、今まで何してたんだよ~」と生徒が声をかけてくれました。
私は目からうろこが落ちました。
アイメイクが無い方がすごく褒められるなんて今まで考えもしませんでした。
よほど印象が変わったのか、他の先生にも「どうしてメイク変えたの?」と言われたので事情を話すと、「その女友達がメイク至上主義なだけでは?」と言われました。
生徒は私の顔をちゃんと見て注意してくれたんだなと思い、それからは顔に対するコンプレックスは持っていません。