おばあちゃん、彩、空を飛べたよ

投稿者:さくら桜サクラ (1959年生まれ/女性/大阪府在住)

孫の彩は3歳になりました。
1歳の頃から私の大好きな絵本を少しずつ読み聞かせていました。
いないいないばあは、目をキョトンとしていました。
ねないこだれだは、夜になると布団を被ってました。
そんな孫も3歳になり自分で好きな絵本を選べる程になりました。
大好きな図書館は彩にとっては宝箱のようで、いつもは活発に走りまわるのですが、静かにお好みの絵本を出しては読んでいました。
読んでいると言うか、自分で開いては絵をみて物語を作るのです。

絵本の世界は、3歳の頭の中で無限の世界を広げさせてくれ、想像力がついていきました。
色の絵本を気にいって読んでた時は、紫のバスが走っていると、
「紫のバス、彩のりたい~!」
真っ赤な薔薇の花をみて、
「真っ赤だね~。トマトみたいに真っ赤だね。彩食べたい」
私はおかしくて、孫との会話はお腹を抱えてわらう事が多くなりました。

そんな時です。
空をみあげていた孫がいいました。
「カラスのかっくんは、お空を飛べるね。かぁ~かぁ~ってお腹が減ってるのかなあ~」
カラスが遠くに飛んでいくと
「かっくん、やっばりお腹が減っててご飯食べに帰ったんだね」
孫の世界は無限大。
池で泳ぐ亀をみて、
「彩ももぐりたい」「彩、小さくなって亀さんに乗る」
潜る亀をみて自分もできると思ったのかプールに連れていった時に本当に潜ったときにはびっくりしました。

ある日、娘がベランダで洗濯物を干している時の話です。
ベランダで空をみるのが大好きな孫は娘にいいました。
「ママ、彩も空を飛びたい」
ベランダに椅子をもっていき、孫の両手をもって何度何度も空中ジャンプです。
けれど空が飛べないと泣く孫に娘はヘトヘトでした。

空を飛ぶには羽がいる。
だけど彩には羽がない。
羽が欲しいと泣く孫に娘は風呂敷を首に巻いてやりました。
空は飛べないけれど、とても気にいったのかご飯を食べる時にも
テレビをみる時にも寝る時にも風呂敷が孫の彩の羽になりました。

「おばあちゃん、彩、空を飛べたよ」
そう言って、お昼寝から起きてきた孫が私に抱き着きました。
「ママにもらった羽でね彩、空を飛べたよ」

孫の頭の中は無限大。
大好きな絵本をたくさん読んで、いろんな言葉がでてくる。
きっと孫の頭の中は風呂敷を巻く事によって羽がはえ空を飛んだんだろう。

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