ママの本当の願い事知ってるよ。ママはしょうちゃんが話せるようになってほしいんだよね
投稿者:おや親 (1981年生まれ/女性/埼玉県在住)
私には三人の子供がいます。
小学生の女の子一人と小学生の男の子が二人。
真ん中の男の子は重度の知的障害と自閉症を持っているため、未だに話すことができません。
10歳で知的なレベルは2歳児にも届かない、大きな赤ちゃんです。
年が近い兄弟たちは、ほぼ生まれながらにしてずーっと障害者の兄弟がいることを当たり前として生活しています。
一番下の弟が1歳半の時、彼は彼の兄、しょうちゃんの知的レベルをさらっと超えていきました。
お兄ちゃんだと知りながら、しょうちゃんはできないから・・・とサポートをする。
赤ちゃんみたいだねと周りの友達から言われても、お兄ちゃんだよと笑顔で返せる。
そんな彼の気持ちは、母親の私でもすべてはわかりません。

障害のあるしょうちゃんと年子の姉はほとんど双子のようにいつも一緒で過ごしてきました。
しょうちゃんが苦手だから人ごみはいけないね。
しょうちゃんが大きな声を出しちゃうから映画とか音楽は見られないね。
いろんなことを、我慢してくれているのだと思います。
そんな彼女の気持ちも、母親の私はすべてはわかってあげられません。
しょうちゃんを福祉サービスに預けられるようになってからは、二人の姉弟と一緒に過ごす時間も取れるようになりました。
一緒にいたら残念だけどできないことを、後ろ髪をひかれながら、でも哀しいくらいいきいきと楽しそうに過ごしています。
私自身、すこしほっとした気持ちで過ごしてしまうことも多くあります。
こんなこと感じる必要はないんだよ・・・と子供には言い聞かせているものの感じてしまう後ろめたさ。
七夕は毎年子供たちが願い事を書きます。
子供たちはあれがほしい、これがほしいになってしまいますが。
私は子供たちの短冊の一枚ずつに、元気で過ごせますようにと書きます。
そのとき、末っ子の息子が新しく短冊を作って持ってきました。
ママも願い事書いていいよ。優しく言って笑いました。
ママはみんなが元気なのが一番うれしいんだよと答えました。
「ママの本当の願い事知ってるよ。ママはしょうちゃんが話せるようになってほしいんだよね」
無理だって知ってるから書かないこと。
哀しくなるから口には出さなかったこと。
障害があったっていいじゃんって心では言い聞かせてるけど、たまに無性にむなしくなること。
全部知ってるんだよ。僕は大丈夫だよって言ってくれた気がしました。
これから先、しょうちゃんを疎ましく思う時が来る。
なんで僕のお兄ちゃんが・・・って思う時が来る。
でも私はこの子となら乗り切れるんじゃないかと思いました。