お産は遊びじゃないんだぞ!
投稿者:asagao (1976年生まれ/女性/福岡県在住)
私が第一子を妊娠したときのことです。
わからないことだらけの妊娠に対する不安と期待を胸に、さっそく育児雑誌を購入しました。
そこには、その当時に流行っていた出産に関するいろいろなサービスが掲載されていました。
たとえば、そのころまだ数少ない病院でしか実施されていなかった胎児の3D写真撮影や、ホテルのような病室、ホテルのような食事つきの産院などです。
とてもうらやましく思い、我が家の近くでそのような産院がないか調べてみました。
すると自宅から車で30分くらい行ったところに、そのようなサービスを実施している産院を見つけることができました。
しかし、その病院の立地条件が悪く、公共の交通機関では行くことは出来ません。
そこで祖父に相談してみました。
私もこんな病院で出産してみたいと。
すると、祖父は一言。
「お産は遊びじゃないんだぞ!」と。

昔は、お産で命を落とすこともあったこと。
初めてのことで、何も分からないんだから、家の近くで何かあったらすぐに病院へ行くことが出来る所を選びなさいと。
お産が命に関わることだと、あまり深く考えず、イベントとして考えていた自分が少し恥かしくなりました。
そこで、家の近くにある医療体制の整った総合病院で出産することを決意。
いざ出産を迎えたとき、わたしは微弱陣痛という症状になりました。
なかなか出産が進まず、病院ではあわただしい時間が過ぎていきましたが、先生たちのおかげで無事に出産を終えることができました。
その後、病院で聞いた話では、ほかの病院で出産予定だった方が私と同じ微弱陣痛という症状だったのですが、その病院では対応できず、私の出産した病院に緊急搬送されたこと。
緊急搬送されてからでは、手のうちようがなく緊急で帝王切開での出産となったこと。
救急車での搬送のつらさなどを聞きいて、少しぞっとしました。
私が祖父のアドバイスを聞かずに自分の考えだけで行動していたらと思うと怖くなったのです。
お産は遊びじゃない。
本当にその通りだと実感した瞬間でした。
あのとき叱ってくれた祖父に感謝しています。