良かった。良かった。でも、寂しいよ
投稿者:のりた (1987年生まれ/女性/福岡県在住)
去年の夏の日、私に一大決心を迫る出来事が起きました。
それは、私のお腹の中に新しい命が宿っていること。
この事をまず誰に打ち明ければ良いのか、どう言えば良いのか、自分がどうしたいのか考えれば考えるほど答えは見つかりませんでした。
付き合って6年、そろそろ結婚と考えてた矢先の出来事で動揺と不安が入り混じる中、まず彼に打ち明けることにしました。
「妊娠したみたい」と言った私に彼は、「本当?嬉しいよ」と言ってくれました。
予想外の反応で、思わず泣いてしまいました。
とても嬉しかったです。
後は両親にこの事を話さなくては、と思うものの勇気がでません。

私の母は、とても明るく社交性のある人なのですが、父はとても気難しく頑固な人です。
この事を打ち明けた時、どんな反応を示すのか、怒られるんじゃないんだろうか、怖くて話ができません。
母に先に打ち明ける方が事が良い方向に流れていくのではないだろうかと思った私は、先に母に打ち明ける事にしました。
いつものように母を近くのスーパーまで車で送っている途中。
いつ言おうかな?今かな?この事ばかり考えてしまい、母との会話もまともに頭に入ってきませんでした。
この信号が赤になったら言おう。
「私、妊娠したみたい」
ついに言えた。
しかし、母からの返事が返ってきません。
「聞いてる?」と言った私に母はこう言いました。
「良かった。良かった。でも寂しいよ」
ありきたりな、おめでとうの言葉よりも嬉しくて、涙で目の前がボヤけて運転どころじゃありません。
正直に言うと、妊娠を継続するべきなのか、下ろしてしまった方が良いのか悩んでいました。
子供を育てていく自信がなく、妊娠した事実もまともに受け止められない私が母親になれるのであろうか、考えても答えは見つからなかったのです。
でも、母親に打ち明けたことにより、何かポンと背中を押してもらえたような気がしました。
初めて母親になって、わかった事。
それは、命の尊さ、かけがえのないものという事。
大きくなるお腹。
お腹の中で動き出す命。
私も母のように精一杯の愛情を注いでこの子を育てていきたいと思います。