ママのご飯が美味しいのはいっぱいハートが詰まってるからなんだね

投稿者:カオリーナ (1976年生まれ/女性/イタリア在住)

私には5歳の娘がいます。
父親はイタリア人なので娘はハーフですが、娘にはぜひ日本語も話せるようになって欲しいと生まれた時から日本語で語りかけをしていました。
しかしやはりモノリンガルの子供に比べると言葉が遅く、言葉をきちんと話し始めたのは娘が三歳になる頃でした。

夫は仕事が忙しく、ほぼ一人で育児と家事をする毎日で、娘は食が細くさらに偏食だったので毎日の食事には頭を悩ませていました。
その頃はまだイヤイヤ期が続いているような感じで、私はけっこうなストレスを感じていたと思います。

そんなある日の事です。
その日も夕食の時に箸が進まず、遊び食べをする娘に私はイライラしてしまって「どうして食べないの?食べないと大きくなれないでしょ?せっかく作ったのに食べないんならもうご飯は作らないからね!ママに心配をかけないで!」と、つい怒鳴ってしまいました。

娘は一瞬びっくりしたような顔をした後で、目に沢山涙をためて「ごめんなさい、ごめんなさい」と私に謝りました。
その様子を見て私は余計カッとしてしまい「謝ってほしいんじゃない!悪いと思うなら食べなさい」のような事を言ったのだと思います。
娘は、一生懸命食べ始めました。
息が出来ないくらいの早さで・・・。

そして全部食べ終わった後、「ママ、美味しかったよ。ママのご飯が美味しいのはいっぱいハートが詰まってるからなんだね」と言ったのです。
その言葉を聞いて私は泣き崩れました。
泣いている私を見て、娘は「ごめんなさい」と繰り返します。
私もそんな娘に「ごめんなさい、ごめんなさい」と言い続けました。

私はその時、気がついたのです。
私が娘を叱ったのは娘を心配してじゃない、こんなに自分が疲れてるのに食べなかった娘に腹を立てただけなんだ・・・と。
その事に気がつき、情けなさと申し訳なさで涙が止まりませんでした。
同時に、こんな母親に「ハートが詰まってる」なんて言ってくれた娘が愛おしくて可愛くてただただ泣けて仕方ありませんでした。
私は育児に家事に、外国での生活に自分が思う以上に疲れていて、それが爆発してしまったのだとわかりました。

あの時の言葉は、今も疲れてイライラしたりたり、ちょっと気持ちが不安定になってめげてしまいそうな時の私の支えになっています。
そしてたった3歳なのにこんな素晴らしい言葉を言えた娘を心から愛おしく誇りに思っています。

言葉って大切だな、そう思わせてくれたのも娘です。
どんなに思っていても言葉にしないと伝わらない事はあるので、自分の気持ちは言葉にしてどんどん子どもや夫に伝えていきたいと思っています。

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