俺が頭下げに行ったるから

投稿者:もも (1984年生まれ/女性/大阪府在住)

26歳の時、10年付き合ってきた同級生の彼と結婚しました。
もともと一匹狼気質な彼で、少し亭主関白っぽい部分もあります。
優しい所もありますが、どちらかというと照れくさくて私のことを褒めたり感謝の言葉や態度なんかは見せてくれないタイプです。

28歳の時、待望の長男が誕生しました。
可愛くて可愛くて仕方ないのは当たり前のことですが、子育ては可愛いだけではありません。
とにかくすべてが初めてのことで、すぐに泣きわめき続ける我が子との戦いの日々でした。
お乳を飲んで泣いて寝るのが赤ちゃんの仕事だと頭では分かっていても、それに慣れるまではまったく自分の時間が持てず生活リズムも何もかも赤ちゃんに合わせる日々に少しノイローゼ気味になっていました。

主人はトラック運転手で数日に1回帰ってきてはまたすぐ他府県へ運びに行くという生活だったため、育児への参加はほとんど出来ない状態でした。
なのにちょっと育児が大変だと愚痴ると「ずっと一緒にいれて羨ましい」とか「そんなにしんどいなら実家へ預ければいい」(主人の実家の近くに住んでいてよく遊びに連れて行っているので)など、私がかけて欲しい言葉とは到底かけ離れていました。
もっと「大変やね、よく頑張ってる」とか「毎日子供みてくれてありがとう」のような言葉が欲しい時期だったのに…。

生後2ヶ月くらい経った頃、まだまだ夜泣きも多い時期できっちり3時間おきに起きていました。
寝かそう寝かそうとするとその気持ちが伝わるのかなかなか寝てくれずギャンギャン泣きわめく我が子。
二階建ての小さな賃貸マンションだったので、ご近所の事も気がかりでした。
心身ともに疲れていたので、主人に思いの丈をぶつけました。

泣き声がうるさいと言われたらどうしようと言った時の主人の一言が意外でした。
「万が一そんなことがあったら俺が頭下げに行ったるから」
そう言ってくれたのです。
てっきり「そんな事言うてくる奴おっても無視しとけ」なんて事を言うだろうと思っていたので、思わず涙が溢れ出ました。

それ以降は子供が泣いていても、早く泣き止ませないと!という気持ちがなくなり、ゆとりがもてるようになりました。
主人にとっては当たり前のこと、または何気ない一言だったようですが、私にとっては子供と向き合うようになれた魔法の一言になりました。

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