君のいう保証は論理では説明できないが、私には経験がある。絶対に見捨てないから。

投稿者:たいちっち (1973年生まれ/男性/大阪府在住)

30歳のころ、仕事のストレスから心の病を抱えるようになって精神科医に通うようになりました。
ずいぶん通ったのですが、なかなかよくならず、いろいろと荒れた行動をとりました。
薬を変えたり、カウンセリングを別途受けたりしましたが、なかなか改善の兆しが見えませんでした。
ある日の診察で、ついにそのフラストレーションが爆発しました。
「薬を飲んでもカウンセリングを受けても、全く出口が見えない。このまま続けても、よくなるという保証はどこにあるのか。」と怒りをぶつけました。

その時に精神科医が行ったセリフが、「君のいう保証は、論理では説明できないが、私には経験がある。」と言いました。
普段は理屈っぽい私が、一言も言い返せませんでした。
その先生は老齢で、その地区でずっと精神科医を続けてこられました。
ずっとふてくされていた私に、最後にそっと「絶対に見捨てないから。」と付け加えられました。

あのセリフを言われたとき、私の底つきだったような気がします。
このセリフ自体に論理的には納得もしてませんでしたし、感覚としては怒りが残っていましたが、そこから、その先生に委ねてみることを心の底からやってみたんだろうと思います。
そのときから少しずつ病状が回復していき、半年後に精神科を卒業することができました。

なんらかの汎用性のあるものでもなく、その意味では「名言」のようなものではないでしょうが、私の中では人生のターニングポイントとなった忘れられない思い出の一言です。
おそらく、論理を超えたものがあり経験に勝てないことがあることを体感させたこと、そして、「見捨てない」といった雰囲気も押し付けがましいことがなく本当にさりげない感じのセリフでしたが、確固たる決意を感じさせる本当のプロフェッショナルな対応であったことが忘れられないのだと思います。

今でもその場面を思い出して、うまくやり込められた自分自身に苦笑しながらも、そのお医者さんには心から感謝しています。

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