なってもいないことを考えてもしかたない。なったらその時考えればいい。

投稿者:N.S. (1976年生まれ/女性/北海道在住)

私は昔からとにかく何でも消極的に考え、物事を悪い方向でしか考えられませんでした。
負の連鎖で、そういった気持ちが余計に悪いことを自分に運んできていたように思うくらいです。

それでも、自分の生活の中で小さな嫌なことは多々ありましたが、決定的な「悪いこと」は起こらないまま、なんとなく生活してきました。
ところが30代になり結婚、出産を経験し、これからは子供のためにネガティブ思考はやめようと思っていた矢先に、病気を患ってしまったのです。
しかも国で定められている難病で、明確な治療法のない病気でした。

信じられませんでした。
これまで、どんなに悪い方向に考えても、自分がこのような病気になるとは考えたこともなかったのです。
自分の想像を上回る出来事でした。
小さな子供もいるのにどうしようかと毎日泣いていました。
子供たちもそんな私の変化に気付き、次第に不安定な状態になってきました。

病気自体は薬が思っていたよりも効いたので、体調的には日に日に回復していきました。
しかし精神的には病気を受け入れられずに、ただただ自分の未来を悲観していたものです。

そんな私の子供の状態を危惧してか、父親がしばらく実家に帰ってくるようにと迎えに来ました。
結婚後は、あまり私たちの生活には口を出さない父親だったので意外でした。
精神的に決して良い状態ではなかったので、両親に甘えて実家にて療養することに。

実家に滞在中も、病気の症状は改善が見られました。
それなのに、前向きに頑張ろうと思えない自分にも嫌気がさしてきました。
そんな時に父親から、「今後もしかしたら病気が悪化するかもしれない。だけど、今は落ち着いてるだろう。これからのことは誰にもわからないが、なってもいないことを考えてもしかたない。なったらその時考えればいい。」と言われました。

悪化したらその時できることをする。
今しなければいけないことは泣いていることじゃない。
少しでも子供たちのために笑顔で過ごすことなんだと思いました。
現在も、恐怖感はぬぐいきれませんが、元気でいられる時間は家族と楽しく過ごさないと損なんだと思うようにしています。

毎日を一生懸命生きる。
それがとても大切なことなんです。

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