どんな嫌なやつでも、考え方次第で人生の先生になるんだよ。
投稿者:こにこ (1976年生まれ/女性/愛知県在住)
会社勤めをしていたころの話です。
人間ドッグで異常が見つかり再検査を受けたところ、婦人系器官に腫瘍が見つかりました。
医者から告げられたのは早急な開腹手術と最低でも2週間の入院、無事退院できても仕事への復帰は1週間以上控えてくださいとのこと。
何よりもショックだったのは、開腹してみないとその腫瘍が良性なのか悪性なのかわからないということでした。
自分が手術を受けなければならないという不安、自分の体の中にあるなにかが、悪いものである可能性があるという恐怖。
そして入社したばかりの会社を病気とはいえしばらく休まなければいけないと報告する緊張感は相当なものでした。

診断を受けた次の日、勇気を振り絞り直属の上司に報告をしにいきました。
その上司は職場でもかなりの曲者で、部下の評判は最悪の嫌われ者でした。
私が病気が見つかったことを話すと、「へえ」と一言。
続けて手術を受けるため会社を休まなければならないことを告げると彼はこう言いました。
「え?お腹開くくらいで一ヶ月も休む気なの?」
愕然としました・・。
「申し訳ございません。」
会社に多大な迷惑をかけるのは事実であり、嫌みの1つや2つ、言われても仕方がないと思っていました。
でもショックだった・・。
手術と病気への緊張と恐怖もあいまって、術前検査で飲んだ胃カメラで胃に穴が見つかりました。
どうしようもないのに理解してもらえない辛さ。
心の曇りをどうすることもできなかった私は、高校時代からの友人に話を聞いてもらうことにしました。
静かにじっと、私の話を最後まで聞いてくれた彼女は「そっか・・そんなこと言われたんだ、辛かったね。」と受け止めてくれたあと、こんな話をしてくれました。
「社会にはいろんな人がいるよね。
学生時代には自分と同じようなタイプの友達が集まってワイワイやってればそれでよかったけど、社会にでたらどんなに気の合わない人とも関わっていかないといけない。
私もたくさん人間関係につまずいたし、漫画やドラマの世界にしかいないと思ってた悪役みたいな嫌な奴にもたくさん会った。
社会ではどうあがいてもそういう人たちと付き合っていかないといけないんだよね。
だけどそんな人達との関係に、いちいち悩んで恨んで怒ってたらすっごい損だと思わない?
憎たらしい悪役たちのこと考えて心が辛くなったり体こわしたり、それじゃ悪役の毒にまんまと冒されてる、完全に負けだよ。
だから私はいつも、嫌なやつに会ったら、こういうことをすると人に嫌われるんだなとか、こういう言い方をすると人を傷つけるんだなとか、嫌なやつの嫌なところを人生の教訓として蓄えさせていただいてるんだよ。
そう思うと嫌なやつも人生の見本、嫌なやつであればあるほど沢山のこと教えてくれる最高の見本になる。
ありがとうございまーす!って思えるよ。
どんな嫌なやつでも、考え方次第で人生の先生になるんだよ。」
開眼しました。
この言葉でその時の私がどんなに救われたか。
この言葉は今でも人間関係に悩んだときの私を救ってくれます。
そして私は誰かの人生の悪い見本にならないようにと、いつも人の優しく正直でいたいと思っています。