性格に「良い・悪い」はない。良い性格の裏には悪い面が、悪い性格の裏には良い面が必ずある。表裏一体だ。

投稿者:しん (1968年生まれ/女性/千葉県在住)

中学生のころ、担任教師からクラスの全員に話がありました。
何がきっかけでその話をされたのかは忘れましたが、ふだん荒れ気味のクラス全員が、しんと静まって聞いていたのを覚えています。
そんなに深刻な場面ではなかったように思います。

先生は人間味のある方で、生徒を表面だけで「暴れているから悪い子」「大人しいから良い子」などと決めつける方ではありませんでした。
ですので人気がありました。

その先生がおっしゃったのです。
「人間の性格は裏と表と両方とれるのよ」と(先生は男性ですが、やわらかいしゃべり方をされる方でした。尾木ママではありませんが)。

それだけでは意味がわからなかったのですが、クラスでもわかりやすい性格の子のことを例に挙げて説明してくれました。「例えば、Hくんは一見『短気だ』って見えるかもしれないけど……」。
当のHくんは自分のことをわかっている子だったので、「へへへ」と笑っていました。
先生は続けます。
「『短気』は裏返すと『情熱的』なのよ。だから、それぞれの性格に『良い・悪い』なんてないのよ。一方だけ見て『悪い性格』って決めつけちゃ、損よ」。
誰でも良いところを持っている……という結論だったように思います。

もしかしたら、朝のホームルームなど、ちょっとした時間に話されたこと……だったかもしれません。
ですが、私には大変衝撃的なひと言でした。
というのも当時、「自分は性格が悪い」と自分を責め、くよくよ悩んでいたからです。
自分の長所を見つけることができず、また誰も「あなたはここが良い」と言ってはくれない環境で暮らしていました。
親に「良くないところ」を指摘されてばかり。
そんな時に、この言葉を聞いたのです。

親にすっかり洗脳されていましたから、「私はダメなところだらけの、良くない性格だ」と思い込んでいました。
しかし先生の話が本当なら、そんな自分の性格も裏返して「良いところ」があるのではないか……。
そんな風に思ったのです。

結果的に親の「ダメな性格の指摘」が、ただの八つ当たりであり、それを裏返したところで自分の「良いところ」にはならなかったので、その後、長らく自分に自信の持てない状況が続いたのですが。
自分を肯定できるようになるまでの長い道のりの間、先生のこのひと言が一筋の光明となっていた気がします。
「自分にもきっと良いところがある、はず」と。

大人になり、自分の性格の「裏表」が客観的に見られるようになりました。
その後「嫌だな」と思う人と出会ったとき、先生の言葉を思い出しています。
「相手の性格の悪い面ばかり見ていても良いことはない」「人はもっと立体的に見ないと」「誰にでも長所と短所があるんだから」と自分に言い聞かせています。

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