お前は人にやってもらったことに文句を言うのか!
投稿者:うたまる (1982年生まれ/男性/奈良県在住)
中学生のころ、友達が誕生日パーティーをするから来てくれないかと私を誘ってくれました。
パーティーは友人の家で開催されたのですが、この日の為にレンタルのビデオを用意してくれたり、昼ごはんにカレーを作ってくれたりと誕生日パーティーに呼ばれている私たちの方がもてなされているような気になるくらい手の込んだパーティーでした。
パーティーが終わり、帰宅した私は祖父にその日のパーティーの様子を色々話していたのですが、その時に「カレーの中にたまねぎが多くてあまり美味しくなかったんだよなー」と、文句を言ったつもりはなかったのですが、ただ単に今日のパーティーの感想としてそのようなことを祖父にしゃべりました。
すると、突然祖父が「お前は人にやってもらったことに文句を言うのか!お前は一度でも人のためにパーティーを開いたり、カレーを作ったりしたことがあるのか!!」と怒りだしました。

そこで、ハッと気づきました。
確かに私は、今まで友人の為にパーティーなんて開いたことはありませんし、ましてやカレーを作ったことなんてありません。
今日のこの日の為に、友達はどんな気持ちでパーティーの準備をしていたのか、私を誘ってくれたのは私を友達と思ってくれているからなのだろうと考えると申し訳なくて仕方なかったのを覚えています。
この一件があって以来、私は人に何かをしてもらうということは本当にありがたい事なんだと思うようになりました。
それは社会人となった今でもそう思っています。
父親の仕事を引き継ぎ人を雇い使う立場となった今、自分の仕事のために時間を割いて、一生懸命に働いてくれているパートさんを見ていると特にそう思います。
私という何のとりえもないような人間の為に、こんなに息を切らして働いてくれていること。
他にも楽なパート先はあるだろうにこんな苦労をする上に給料が安い職場に来てくれること。
考えられないくらいありがたいことなんだと思っています。
人に対してここまで感謝できるようになったのは、間違いなく祖父のあの一言があったからです。
父親から言わせると、お前はパートさんに甘すぎると思われている部分もあるのですが、パートさんが自分なりに一生懸命してそれでも失敗したというのなら、「一生懸命した」という部分を評価して、「こうすれば良いですよ」とアドバイスを送ることはありますが、怒ることはしません。
仕事の効率を考えるのなら、父親のように怒って抑えつけるというのも一つの手なのでしょう。
けれど、私は祖父のあの一言を大事にして、儲けもないし効率も悪いけれど、従業員みんなが仕事が大変でも笑顔でいられる職場を続けていこうと思います。