一つ一つ殻を脱ぎ捨てて人は成長する

投稿者:夜明け (1968年生まれ/女性/岡山県在住)

まだ19歳の大学生の頃に、大学院生の彼氏に言われた言葉です。
まだ子供だった私が、自分のこだわることに囚われていて、恋愛をしたいけれども恋愛できない状態にあった時のことです。

見た目は大人を真似してはいるけれども、内面は幼い子供だったように思います。
何だか打算的に考えて心を開くことが完全にはできなかったので、恋愛といっても形だけの浅いものでした。
もちろん、そこで心を開いて相手を完全に信じ切ってしまって、その後うまくいかなくて破局ということは想像できるし、そうなる可能性も相手と自分の条件を考えてもありうることでした。

こちらから一方的に打ち明けた別れ話の末に、「一つ一つ殻を脱ぎ捨てて人は成長する」と彼氏に言われ、心を縛っていた私の中での独りよがりの悩みを打ち明けることになりました。
それは、私自身の悩みという言うよりも、家族の病気ということが私を縛り付けているという意味での悩みでした。

彼氏はじっと聞いてくれて、的確に冷静に、医師の卵としてのコメントで説明をしてくれたのですが、後になってみて「当たっていたな」という状況になっています。
結局はお付き合いは止めになったのですが、彼氏の言葉で「殻を破る」という意味が少しずつ年齢を重ねるたびにわかってきたように思えます。

もちろん私の悩みもすぐには解決はしなかったのですが、悩んでいるのは病気であった親本人であることに気が付いたのは、それからずいぶん後になってからです。
ひどい言葉を親に投げ捨てたこともたびたびありました。
でも今となっては、愛おしい自分の親です。
今、親になってから親業というのは本当に大変だなと感じます。
子供はついつい自分一人で多くくなったような気になりがちですが、親がどんな気持ちで子供を育てているかということがわかるようになりました。

今思えば、恵まれた環境で育った私は、人の悲しみさえも気が付かない幼い子供だったと反省します。
彼の言葉は恋愛上のものだったけれども、私にとって人生観を変える言葉となりました。

error: