何もお礼なんかしなくていい。お礼は俺がする。

投稿者:びっつ (1985年生まれ/女性/青森県在住)

私が高校生、弟が中学生の頃の話です。
中学校に入る頃には弟は家族から離れて行き、一時期は母が弟を連れて家を出ようかと思っていたくらいでした。
私は彼に興味がなく、家に居ない者という感じで接していました。

私は勉強が趣味というくらい好きで、そんなに苦に感じた事はありません。
しかし、弟は口ばかり立ち、あまり努力をしない性格でした。
あの頃はお互いがお互いを邪険に扱い、同じ家に居てもあまり口を利かなくなっていました。

そんなある日、弟の成績が悪過ぎるとの事で母から理科を教えてあげてくれないか打診されました。初日の時におるかな、と彼の部屋を覗くと、きちんと教科書を出して椅子に座っていました。
次の期末テストに向けてその範囲の勉強教えましたが、1時間半位勉強すると次第にお互いが険悪になりその日の勉強は終了、又翌日という形になりました。

しかも恐らく彼が勉強をしていた時間は私が教えている時間だけでした。
他の時間に予習復習をしている素振りは全く見られなかったので、「自分で教えた事の復習くらいしろ!」と叱咤しましたが、そもそも勉強する習慣のない弟には無理な話でした。

定期テストが終わった頃のある日、母と弟が話しているのがたまたま盗み聞く形で聞こえてきました。
母が「理科の点数がこんなに上がったからお姉ちゃんに何かお礼をしようと思う」と話していました。
それに対して弟は「何もお礼なんかしなくていい。」と反論していました。
別に何か欲しくてしていた訳では無かったのですが、彼の言葉にイラっとしてその場に出ようとしたとき、弟が続けて「お礼は俺がする。」と言ったのです。

本当に不仲であまり剃りも合わなく、小学校高学年の頃から自宅でも話さない弟でしたが、そんな風に言ってくれたのを聞いて凄く嬉しくなりその言葉だけで十分、心が満たされました。
一体テストで何点取れたかは知らないですが、お互い多感だった頃の言葉としてとても記憶に残っています。

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