苦労してください。苦労した人は強くなる。苦労を経て強くなった人は、人に優しくなれる。

投稿者:あめむ (1988年生まれ/女性/東京都在住)

大学生の頃サークルで管弦楽団に入り、4年間その団でビオラを弾いてきました。
そこでお世話になっていた指揮者の先生から卒団する時に言われたひと言が心に残りました。

先生は幼い頃、音楽が大好きで仕方がなかったのですが、貧乏だったために楽器を買ってもらう事もできませんでした。
運良く知り合いの方から貰い受けたヴァイオリンを日がな1日練習していたのだそうです。
決して高くもないヴァイオリンで、替え弦を買うお金も弓の毛を取り替えるお金も無く、ボロボロのヴァイオリンを弾き続けたそうです。
当然音楽大学に進学する経済的な余裕は無く、大学進学もできずに高校を卒業後、工場で働き始めました。
それでも音楽で食っていきたいという情熱が先生を突き動かし、働いて貯めたお金で芸術大学への入学を果たします。

この苦労話は在学中何度か先生から伺っていましたが、この一言を聞いた瞬間、先生の過去話が鮮やかに脳裏に蘇りました。
先生は大層苦労されて職業音楽家となりました。
そんな先生は、もう還暦もすぎて立派な肩書きもついて偉い立場にいらっしゃるにもかかわらず、いつも私たち20代そこそこの若者たちの目線に合わせて、優しく、時に厳しく指導をしてくださっていました。
その優しさは、苦労して得た「強さ」から来るものだったのか、とその時やっと理解することができました。

苦労して強くなった人は、苦労の味を知った上で一歩も二歩も前へ進めます。
そうして、その先で心の余裕ができると、自分と同じように苦労をしている人たちに自然と優しく接することができるようになるのです。
先生は言葉だけでなく、それを背中で示してくださったのです。

大学を卒業してもう6年近く経とうとしています。
社会人になり、仕事やプライベートで辛い事、大変な事、沢山ありますが、しんどいなぁと思うたびに先生の一言を思い出し、前を向いて次の一歩を踏み出すようにしています。
いつか苦労が報われて、強く優しい人になれるよう、今日も私は前進するのです。

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