解っていないことが解ったら、後はやるだけ
投稿者:T・R (1953年生まれ/女性/埼玉県在住)
若い頃からバレエやダンスをやって、今は一応先生である私ですが。
最初に始めた頃から数えれば、勿論数多くの師に師事してきました。
その中の、今も週に1回クラスを受けさせてもらっている先生の言葉です。
本当に若い頃と言うのは、力押しと若さのエネルギーだけで突っ走ることが出来て、自分の身体のことでも自覚せずにこき使っていたものです。
なので、先生に身体の使い方を注意されても「ええ?ちゃんと言われたとおりやってるのに何で?」と、口には出しませんでしたが心で思ったりもしたものです。
考えてみれば、本当に傲慢だったと思います。

それでも一応、一度師事した先生には何かよほどのことが無い限りは師事し続けるタイプでしたので、その先生のクラスを受け続けておりました。
時には上記のような失礼なことも心に思ったりしていたのですが。
ところがある日、本当にふいに。
あれ、私って何も解っていなかったんだ。
出来ていないとかそんな問題じゃなくて、そこに行こうとする道筋が解ってないことが、そもそも解ってない。
あれこれ頭で理解してると思ったことが、実は何も解って無いし理解出来てない。
その理解できてないこと自体を、まるで自覚出来ていないという事に、ふと気がついたのです。
(言い回しがややこしくて、申し訳ないです)
なので反省の意味もこめて先生に「私何も解っていないことが、やっと解りました」と言うと。
「解ってないことが解ったら、後はやるだけだから簡単よ」と言ってくださったのです。
本当に自分のことと言うのは、一番解っているようで実は解っていない。
灯台下暗し、と言う言葉がありますが、その意味が解った瞬間でもありました。
もっとも、解っていないことが解ったからと言って即先に進めたかと言いますと、それはまた別の問題になってしまいますが。
あの時の先生の寛大な言葉が無かったら、きっとそのまま暗闇で堂々巡りをする羽目になったかもしれないと、今でも思っています。