私らしく生きる

投稿者:そらこ (1989年生まれ/女性/東京都在住)

この言葉を祖父からかけてもらったのは、高校三年生の時のことです。
私の家庭は、私が中学校三年生の時に父親が亡くなったので、母親、私、弟の三人暮らしの母子家庭でした。
高校三年生になってからは、周りの友達は進路の話をしていて、私も高校卒業後のことを考えなくてはなりませんでした。
高校を卒業してすぐに働くという勇気はなかったので進学したいと思っていたのですが、果たして母子家庭なのに進学したいと言い出していいのか悩んでいました。

ちょうどその頃は、高校三年生が部活を引退する時期にもなっていました。
私はソフトボール部に所属しておりキャッチャーをつとめていたのですが、仕事で応援に来られない母親の代わりに、都大会の準決勝を祖父が見に来てくれることになりました。
祖父も昔は野球部に所属していて、当時もバッティングやピッチャーのリードで悩むと祖父に相談に行くこともしばしばありました。

その試合は結局負けてしまい私は部活を引退したのですが、その日の夜、祖父が私の家を訪ねて来てくれました。
そして私の部屋に来るなり、「今日のバッティングを見ていて、思ったことがある」と話しだしたのです。
「今まで見てきたスイングと違って、何か迷っているような感じがした。何か悩みでもあるのか?」と聞いてきてくれたのです。
私は、進路のことで悩んでいることを打ち明けました。
すると、祖父は「私らしく生きる」という言葉を教えてくれました。

この言葉は、祖父も自分の母親から教えてもらって大事にしてきた言葉とのことでした。
そして、「子どもはお金のことなんか心配しないで、あなたが進みたい道に進んで、やりたいことをやりなさい」と言ってくれたのです。
その言葉を聞いた時は、私の心を全部読みとられていたような気がして涙が止まりませんでした。

そしてそれをきっかけに、大学への進学を決めました。
この言葉は今でも心の中で大切にしている言葉です。

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