神は細部に宿るということだよ。

投稿者:ぴか (1987年生まれ/女性/北海道在住)

学生時代に恩師に言われた言葉です。
プロダクトデザインを学んでいて、ゼミの先生が教えてくれました。
歴史的に有名な建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉ですが、その意味を考えながら、デザインを学んできました。
自分の作った作品を見てもらうたび、まだまだツメが甘いことを指摘され、この言葉を言われます。
わかっちゃいるけど、そんなに簡単にできるものではないと感じ、そのときにはあまり深く理解できていなかったように思います。

授業の一環で、デザイナーの深沢直人氏の講演会を聴きに行く機会があり、やはりその言葉を実例を挙げながら説明してくれていたのが、さらに私の心に刻み込まれました。
深沢氏は無印良品のデザイン監修なども行っていて、シンプルだけど洗練されたものを次々と生み出すデザイナーです。
その手法を伺うと、大きくガラリと変える部分以上に、とことん細部にこだわる事で生まれる美があることを教えていただきました。
角の丸みであったり、つなぎ目を見せないようにこだわる姿勢だったり、そういった細かなことが集まってようやく、ひとつのものが完成するということです。

具体的な内容としては、バスルームユニットのデザインの見直しについてお話されていました。
あらゆる無駄をそぎ落とし、シンプルにするだけでなく、一つ一つのアールや色、素材など、本当に細かいミリ単位の調整を加えることで、全体で見ると大きな変化があわられて、とても驚かされました。

性格上、大雑把な私にとっては、とても新鮮で、納得させられました。
その後、恩師にその報告をすると、いつも言っていることがようやく分かったか、とちょっと悔しそうだったのが印象的です。
自分が言ってきたことが、他のデザイナーに言われることで教え子が理解するのが腑に落ちなかったようです。

卒業後、私はデザインの仕事には就きませんでしたが、その言葉はあらゆる場面で私を戒めてくれます。
私生活では大雑把なままですが、仕事上の確認など、細かく話をつめたり、確認するようになりました。
ミスがあったときも、細部の甘さが目に付いて、私をあざ笑っているように感じます。
卒業した今でもそう感じることができるのは、ことあるごとにその言葉を掛け続けれくれた恩師のおかげです。

error: