いい子でなくていいのよ

投稿者:みかん (1977年生まれ/女性/神奈川県在住)

長女として生きてきたわたしは知らず知らずのうちに自分を押し殺し、両親に迷惑がかからないように、甘えることもなく、できるだけ自分の力でなんとかしようとする傾向にありました。
また、甘える弟を羨ましくある一方でそれまで甘えることなく育ってきたので、人に物事を頼んだり、委ねたり、相談することも苦手でした。

だから、学校や人前ではどちらかと言えば優等生タイプで学級委員やクラブの部長などリーダーのような役割をすることも多かったように思います。
わたしは本当はそういう立場は向いていないのに…と思いながらも引き受けてしまう。
それでも、問題なくこなしてしまうので周りからの信頼も厚かったように思います。

しかし、カトリックのミッションスクールに入学し、初めての担任の先生(カトリックのシスター)との面談で、それまで言われなかった言葉をかけられました。
「もっと、自分を出しなさい。誰かの目を気にすることなく、自分らしく、いい子でなくていいのよ」

わたしは、心が解放されたような穏やかな気持ちになり、涙が溢れたことを覚えています。
そして「神様の元でわたしたちは平等。いつもどんな時もありのままの自分をみていてくださる。だから、ありのままのあなたでいていいのよ。」と言っていただきました。

わたしはキリスト教徒でもなく、高校に入学し初めてシスターや神父様という存在を知りました。
高校の3年間を支えていただけた彼女ら彼らの存在は何か特別といったものではなく、あたたかで身近なものでした。

そして、この言葉をきっかけに自分らしく輝けるように、自分の心の思うままに、一歩を踏み出すことができたように思います。
海外に興味を持ち、貧困の中にいる子供を支える存在になりたいとボランティア活動をするきっかけにもなりました。
今でも、この言葉はわたしの支えであり、芯の強さと心の柔軟さをわたしにくれたのだと思います。

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