がんばれよ!

投稿者:lan_ishi (1975年生まれ/女性/愛知県在住)

私は地方の片田舎に住んでいたのですが、高校を卒業し一人で東京の大学へと進学しました。
不慣れな土地、不慣れな人々、不慣れな空気、まわりのすべての環境が新鮮でもあり、窮屈でもありました。
大学生活もなかなか最初のうちはなじめずに休みがちだったですし、バイトもいろいろしましたが長続きせずにすぐやめてしまうありさまで、いわゆる引きこもり状態になってしまいました。
しかし学費のことや単位を落としてはいけないということで、何とか大学にも通いだして、新しいバイトも見つけました。

始めた居酒屋のバイトは、順調にいって友達もできました。
ところが今度はバイトにはまってしまい毎日のように深夜まで働きました。
自分の働きを認めてくれる店長や、バイト仲間と楽しくすごすこと、まじめに働き稼ぐ喜びなどが重なってどっぷりバイト三昧になってしまいました。
そして大学の方はほぼ行かなくなり、あくる年には留年決定となってしまいました。
しかしそれでも私はその生活をやめられないでいたのです。
店長には、無駄な大学に行くよりも、ここで正社員として働かないかとお誘いを受けたりもしました。
正直とても迷っていました。

そんな中、その状況を見かねたバイト仲間が忠告をしてくれました。
お前はこのままでいいのかと。
何のために今ここにいるのだと。
何をしに東京に出てきたのかと。
始めはそんな言葉に反感を覚え、あえてスルーをして、何とかなるからと気に留めていませんでした。
しかし、心の中ではぐさっと突き刺さっていたのです。

その後、彼とは何となく距離を置くようになりました。
そんな中、その友人は無事に就職も決まり大学を卒業することになりました。
そして、バイトも卒業することに。
彼の最終日には、何か言ってあげようと思っていたのですが、何だか照れくさいのもあってもじもじしていました。

すると彼はバイトを終わってお店から出るときに、まだ店内にはお客さんがいるにも関わらず、怒られるのを覚悟で大声で「○○!がんばれよ!」と私に声をかけてくれたのです。
いろいろな言葉がこの世の中にはあるものですが、そのシンプルな一言が私を目覚めさせてくれました。
その後、店長には丁重にお断りをして私はまた大学に通い始め、無事卒業もできました。

あの選択が正しかったか間違っていたかはわかりませんが、惰性で暮らしていくことに警笛を鳴らしてくれて目を覚まさせてくれた友人の一言には感謝でいっぱいです。

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