人生のうち1度くらい立ち止まるときがあってもいいんじゃないかな、そこから得られるものもあると思うよ。
投稿者:さおりん (1981年生まれ/女性/千葉県在住)
私は8年ほど前、職場のストレスでうつ病を発症しました。
不眠や、強い自己否定感、激しいマイナス思考が続き、抜毛等の自傷行為も時々現れていて、時々「消えてしまいたい」「この世からいなくなってしまいたい」と思うようになるほど酷かったため、医師や家族の勧めで、仕事を辞め治療に専念していました。
このとき私は、自分の病名と薬のこと以外は何も聞かされていなかったのですが、夫は医師から「これ以上症状が悪化したら、入院になります」と言われてしまうような状態であったそうです。
幸い、週に1度の通院と服薬で自傷行為などの酷い症状は半年ほどで落ち着きましたが、その頃から「うつで仕事を辞めてしまったなんて、私は情けない人間だ」「夫や友達は、社会で仕事をしているのに、私は世の中の役に全く立っていない」と思うようになっていました。
このように思ってしまうのも、うつの症状の1つであろうと思いますが、当時は、辛くて辛くて仕方がありませんでした。

そのような中、夫の実家に帰る機会があったときのことです。
リビングで義父とお茶を飲んでテレビを観ていたとき、私に、このような言葉をかけてくれました。
「人生のうち1度くらい立ち止まるときがあってもいいんじゃないかな、そこから得られるものもあると思うよ。」
義父はその言葉のあとに、話を続けてくれました。
人生は、本当にいろんなことが起きる。
いいことも、悪いこともあれば、時間がいくらあっても足りないくらい忙しいときや、逆に、ゆったり過ごすようなときもある。
どんなことでも、人生に無駄なことは1つもなく、振り返ってみれば、その経験が役にたつときが絶対に来る。
あなたは今は、仕事を辞めたことに後ろめたさを持っていたり、自分を責めたりしているのかもしれないけど、これはきっと必要な経験なんだと思う。
実際にあなたは、うつ病の辛さを分かる人間になる事ができている。
これは、人として大きな成長であると思うよ。
今、ゆっくり休んで力をためて、元気を取り戻したら思いっきり好きなことをやりなさい、
今はそのための助走期間でもあるんだよ。
・・・義父の言葉は、私の心に強く響きました。
それまで、自分を責めてばかりいたけれど、うつを患い、仕事を辞めて治療をしている自分を初めてしっかりと受け止めることができました。
義父からその言葉をかけてもらってから、驚くほどのスピードで、私のうつは良くなっていきました。
治療に積極的に向き合えるようになっていったのが大きな要因だったと思います。
病院での治療だけではなく、インターネットで、うつに効果のある言われている食材やアロマオイルを調べたり、ヨガを初めて身体を整えたりということも、自分から始められるようになりました。
そして、お医者さんの予想よりはるかに早い時期に「寛解」とのお言葉をいただけました。
私が、うつを患った自分を受け止めることができなかったら、きっといつまでもうつは治らなかったと思います。
義父の言葉のおかげで、私は本当に救われました。
一生忘れない、ずっと心に鮮明に残っている大切な、義父の言葉です。