考え過ぎないことかな

投稿者:shin (1971年生まれ/女性/鹿児島県在住)

これは私が引越をすることになったときに、ある上司からいただいた一言でした。
「そうだね、僕から何か一言言えるとすれば、考え過ぎないことかな」と言ってくれた、この一言が私の心には今でも焼き付いているのです。
この言葉自体は単純ですが、その当時の私にとってはインパクトがかなり強い言葉でした。

人間だから考えることは普通のことだと思います。
しかし、自分のすべてを捨てて新しい環境に入るというのは並大抵のことではありません。
人というのは恐れる生き物だと私は思うからです。
今がよくてもいつか逆境というものはくるでしょう。

私自身、その当時は引越にまつわる不安で頭が空白状態でした。
いったいどうやって今から私は生きていけばよいのだろうか、私の未来は明るいものとなるのだろうかと、とにかく不安一色でした。
そんな折に、上司が一言この言葉を投げかけてくれたのです。
正直、この言葉のおかげで「そうか、もっと気を楽に持てばいいのか」と人生の先輩から学ばせていただけた気がします。

じつは、その上司も以前私と同じような経験をしたことがあったというのです。
そのときは孤独感がいっぱいで、鬱状態になりかけたこともあったと聞きます。
考えに考えて、とうとうプチンとあるときスイッチが切れてしまったというのです。
これが元で、考え過ぎないという発想を身につけたそうです。

そうは言ってもやはり人生は波あり谷ありで、いつも何かを一生懸命考えている自分がいるのも確かです。
考えるということは大切なことだとは思いますが、やはり人生をうまく歩くためには考える加減というものを上手く知ることも大切だと今は思っています。

この「考え過ぎないこと」という発想は、私が今なお家庭のトラブルや仕事上の不安などでピンチに立たされた時にも蘇ってくる言葉なのです。
自分をいたわりなわいよ、ということがこの言葉には含有されているのだと思います。
そうです、人間考えすぎてもわからないことはわからないときもあるのです。
自然の流れにまかせて人生をうまく渡り歩く、ということは「考えすぎてはいけないよ」ということだと私は理解しています。

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