仕事とは人の役に立つこと。それこそが自分の生きる意味に繋がる。

投稿者:t326 (1969年生まれ/男性/神奈川県在住)

私は、生損保保険代理店に勤めています。

大学を卒業して今の会社に入社ばかりのことです。
保険業界にてある大変な事件が起きました。
その事件は私の勤めている会社にも大きな影響がありました。
私は新入社員ながらも、その処理にあたることを命じられたのです。
その事件の処理にあたっては、保険の契約者に大変、迷惑をかけるような内容でした。
来る日も来る日も私は契約者対応に追われました。
契約者からかかってくる電話は、当社のその事件への対応に対する不満ばかりです。
だんだん、私は気が滅入ってきました。
私は新入社員として入社したばかりですから、その事件にはほとんど関係していません。
その私がなんで、契約者に文句を言われ、自分の言葉としてお詫びを言い続けなくてはならないのか・・・。

そんな仕事をこなして1年ほどたった頃、私は会社を辞めることを本気で考え始めました。
このまま、この仕事を続けていても、この経験は自分にとってなんらプラスになることはないと思っていたのです。

そう決心し、当時の上司に会社を辞めることを申し出ました。
上司は、最終的に会社を辞めるのかどうするかは自分で決めることだと言いました。
また、この意味のないと思っている仕事でも、会社の中には私のことを評価している人がいることを忘れてはならないとも言われました。
そして、「仕事とは人の役に立つこと。それこそが自分の生きる意味に繋がる。」と上司はおっしゃられました。

はじめはその言葉にピンときませんでしたが、上司が続けた言葉を聞いているうち、人の役に立ってこそ、その仕事に価値が出てくるものであり、今回のことで言うと、事件の処理という仕事がそれ自体は契約者に苦情を言われることばかりかもしれないが、そういった負の仕事をきれいにして、この会社がはやく正常な業務に取り掛かれるようになることを、この会社の全社員が私に期待をしているのだということが分かりました。
また、人の役に立つ仕事とは、自分自身の存在が人に必要とされることとなり、つまり自分の生きる意味にも繋がるということを教えていただきました。
私は、上司のその言葉が今でも心から離れません。

その上司の言葉のおかげで、会社を辞めることを思いとどまりました。
私の仕事を通して、私が人の役に立っており、人から必要とされている存在なのだと初めて知りましたし、今でも上司の言葉を心の中で大切にして、日々、仕事に励んでいます。

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