あなたは笑顔が良い。自信を持って推薦できる生徒

投稿者:ははやす (1970年生まれ/女性/神奈川県在住)

私の思い出の一言は、高校3年生の時の担任に言われた言葉です。
それまでずっと心に残っていた悩みを吹き飛ばしてくれたのがその言葉でした。

小学校低学年の時に、お友達のお母さんが何気なく母に言った言葉は、幼い私に初めての重いダメージを与えました。
「お姉ちゃんはいつもニコニコして可愛らしいけど、妹さんは可愛げがなく、取っ付きにくいわね。」
それまで、自分は勉強も出来て活発で、姉より劣っているなんて考えたこともなく、自分に自信を持って過ごしていました。
ふと聞こえてしまった友達のお母さんの言葉は、幼い私を深く傷つけました。

確かに私は年齢よりも大人びていて、可愛げがなかったのかもしれません。
外面がよく、ニコニコしているだけの姉と同じようにしたくなかったのを覚えています。
幸いにも、幼い私は、打ちのめされただけではなく、世間から見ると私という人間はそう見えるんだと納得して、さらに「やってやる!」とある決意をしました。
笑顔の特訓をひそかに開始したのです。

毎晩、お風呂の鏡で練習し、言動にも気を配り、段々と良い表情ができるようになっていきました。
何年続けたのかは覚えていませんが、習慣にはなっていました。
中学校では周りや先生方からも認められる生徒になって、母からも喜ばれました。
高校生になると毎日が忙しく充実していて毎晩の笑顔練習も忘れがちでしたが、楽しい毎日の中ふとした時に、今の自分はどうなのか?反省することもしばしばでした。
あの友達のお母さんの言葉が、その頃までずっと私から自信という物を奪っていたように思います。

そんな時に、大学の推薦入試を前にして、担任の先生と雑談の中で言っていただいた言葉です。
「あなたは笑顔が良い。自信を持って推薦できる生徒だから、自信を持って入試に臨んでください。」
それを聞いた時、わーっと、小学生の頃から今までのことが思い出されました。
同時に、あの、友達のお母さんの言葉から解放されたように感じた瞬間でした。
私は人に褒められるような笑顔を手に入れることができたんだと嬉しくなりました。

その後、大学生時代、入社試験等の時に、先生からのこの言葉は、私を支えてくれました。
20年もたった今でも、あの場面を時折思い出すほどです。
3人の子供の母となった今思うことは、子どもにとって支えとなるような言葉を毎日選びたいということです。
言葉には力があると実感しているからです。

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