ちょっと、おばさん!

投稿者:lucia31 (1976年生まれ/女性/東京都在住)

新卒で入社したばかりの頃に言われた言葉です。
働いていた場所はホームセンター。
入社したのは3月で、まだ春先の寒さが残るなか、灯油の販売業務をしていた時のことです。

灯油の販売所は屋外にあり、店員がガソリンスタンドのようなメーターを搭載したハンドル付きのホースを使って、お客様が持参したポリタンクに灯油を注ぐ方式でした。
ハンドルに付いているスイッチの調子が悪く、私自身の手際も悪く、順番待ちの列は長くなるいっぽう。
あまりの進みの遅さにしびれを切らしたお客様に「ちょっと、おばさん!」と言われました。
「おばさん」と呼ばれたのがショックで、その後、なんと言われたか覚えていません。
声をかけたお客様は自分の母親と同年代くらいの女性で、女性でもそういう言い方をするのかと驚きました。
まあ、私も寒い屋外の寒さに機嫌の悪い顔をしていたでしょうし、ほこりっぽい職場環境なので化粧もしておらず髪も風で乱れていたので、お世辞にも「綺麗なおねえさん」とはいいがたい風情ではありましたが…。

思えばこれがきっかけで、子供に対する一人称が「おばさん」になったように記憶しています。
20代の頃から子供に話しかけるときは「おばさんと同じように、やってみて」という言い方をするようになりました。
後に図書館の仕事に転職したのですが、子供の利用者に対し、全く自然に「おばさん」を自称して仕事をしていました。

女性はいつか「おねえさん」ではいられなくなりますし、そこに漠然とした不安を感じているものです。
いち早く「おばさん」を自称することで「綺麗なおねえさん」の度合いを競う土俵から降り、「魅力的なおばさん」を目指そう。
あの出来事があって以来の私には、そんな意識があったのだと思います。
結果的に、ゆっくり時間をかけて理想のおばさん像を考えながら生きてこれました。

たとえば「おせっかいと言われることを恐れず人に手を貸せる」「汚れ物を涼しい顔で手際よく処理できる」「実益第一で考えられる」といったスキルは、人生経験を重ねたおばさんならではの特性でしょう。
そうした特性を自分の人生にプラスになるように発揮していけたら良いと思っています。

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