周りに言われて頑張るんじゃなくお前が頑張りたいと思った時に頑張ればいい。

投稿者:ユキ (1987年生まれ/女性/大阪府在住)

私には3つ年上の兄がいますが、兄は子供の頃から体が弱く、ずっと入退院を繰り返していました。
反対に私は子供の頃から風邪もあまり引かない健康体だったからか、両親は私にいつも「お兄ちゃんの分まで頑張れ」と言っていたのです。
元々勉強もスポーツも好きでしたが両親や学校の先生が褒めてくれるから、私に期待をしてくれているから、中々病院から出られない兄の分まで頑張ろうと益々力を入れました。

頑張れば頑張るほど結果はついてきてくれて、両親も先生も友達も皆、よくやったね凄いねと言ってくれたのです。
最初はそれが嬉しかったのに、高校へ入学した頃から段々とプレッシャーを感じるようになってしまいました。
皆は私の事をしっかりしていて何事も卒なくこなす優等生だと思っていますが、本当の私は目立つ事が苦手で面倒臭がりで我儘でプライドが高いのです。
しかしそれを押し殺して生徒会に入ったりクラスメイトに分け隔てなく優しくしたり、寝ないで勉強をして体が辛くてもスポーツをしていました。
そしてとうとう高校2年の夏に、限界がきてしまったのです。

それは突然でした。
ある朝学校へ行こうと玄関の扉を開けたのですが、そこから一歩も進む事が出来ませんでした。
結局1限目が始まる時間になっても足が動かず、両親には体調が悪いと言ってその日は休みました。
しかし次の日から電池が切れた様に、気力も出ず部屋から出れなくなってしまいました。
両親も先生も友達も、まさか貴女が不登校になるなんてと驚いていましたが、その驚きが「私はこうじゃないといけない」と思われているようで、辛さが募ったのです。

そうして1ヶ月も学校だけではなく塾も習い事も、外へ出る事さえしませんでした。
両親は毎日私にどうしたのか聞いてきましたが、自分自身でも何がどうなっているのか判らなかったのです。
ご飯を食べるのが精いっぱいでベッドから出られず、両親からは病院へ行こうと言われましたがもうどうでもいいと無視をしていました。
こんな私を見て皆が悲しむから頑張りたいのに、心が辛くて頑張れないという焦りで苦しい毎日でした。

そんな時に兄が病院から一時帰宅をしました。
それまで兄とはあまり顔を会わせる事がなく深い話しもした事がなかったのですが、一目私の顔を見て「随分疲れてるな。頑張りすぎてないか」と言ったのです。
そこで私は、ああ今まで無理して頑張っていたからこうなってしまったのだと悟りました。
兄に「お父さんお母さんとか、学校の先生とかに頑張れって言われてるんだろ。皆の事が好きだからそうするのは判るけど、周りに言われて頑張るんじゃなくお前が頑張りたいと思った時に頑張ればいい。そうじゃないと楽しくないだろ」と言われました。

今までそんな事を言ってくれる人なんて周りにおらず、ずっと孤独に張りつめていた気持ちが楽になりました。
確かに楽しいから勉強する、やりたいからスポーツをやるではなく、皆が頑張れと言うから頑張っている状態だったのです。
本当の私は勉強もスポーツも苦手なのに、皆のイメージを崩すのが怖いから、がっかりさせたくないからと一生懸命でした。
これからは自分のやりたいようにやろうと思うと、みるみる気力が溢れてきて行けなかった学校へも登校する事が出来ました。
最初は周りも変わった私にビックリしていましたが、その内慣れてくれたのか、そちらの方が自然でいいよと言ってくれる人もいました。

あのまま頑張りすぎていればきっと、何年経っても引きこもったままだったと思います。
私の人生を変えてくれた兄の言葉は今でも私の力です。

error: