何でお母さんの言う通りにしなきゃいけないの?お母さんはお姉ちゃんの人生の責任なんてとらないよ

投稿者:みつ (1993年生まれ/女性/静岡県在住)

私には5歳年下の妹がいます。
妹と私は真逆の性格をしています。
私はインドア派の優等生気質。
妹はアウトドア派で社交的な友人の多いタイプ。
妹は自分の意見をはっきり言う子で昔から母とよく喧嘩をしていました。
対する私は母に対してはまるっきりイエスマン。
母が苦手で、衝突を避ける為にずっと自分の本音を隠してきました。

東京の大学に進学するために地元を離れ、母の元を離れると私の視野は大きく広がりました。
そこで本当に好きなものを見つけました。
演劇です。
大学時代に役者と制作の両方を経験しました。
やればやるほど人生を通してこの業界に携わりたいと思うようになりました。

しかし、いざ大学を卒業し自分の進路を選ぶとなった時、演劇の道を進む事に躊躇しました。
それは「不安定な業界だから」「自分じゃ無理だから」といった理由での躊躇ではありません。
私は母に反対されることを恐れていました。
私は大学在学中に演劇に携わっているということも母に話していませんでした。
演劇が好きだということも母は知りません。
私は自分を母に曝け出す事を何よりも怖がっていました。
当時は、本当の自分を出せば母はそれを貶し、私のことを嫌いになると思っていました。
昔からの刷り込みの賜物です。

大学3年生の春休みに一時地元に帰省した時、妹と話をしました。
妹自身も高校卒業後の進路について話をしました。
私も妹には演劇のことを話していたので、自分の悩みを妹に話しました。

「このまま就職しないで演劇の道に進もうかと思ってるんだけど、絶対お母さん反対するよね…」
「分からないじゃん。
お母さん、お姉ちゃんが演劇やってることすら知らないんだし」
「絶対反対するよ…」
「なんでそんなにお母さんのこと気にするの?
何でお母さんの言う通りにしなきゃいけないの?
お母さんはお姉ちゃんの人生の責任なんてとらないよ」

妹の言葉に私は気づかされました。
今思えば恥ずかしくなるくらい馬鹿らしい事で私は悩んでいました。
母が反対しようが、私の人生は私のものです。
自分の人生の選択と決断は自分が責任を負わなければいけないのに、それから母を理由に逃げていたのです。
私はとても恥ずかしくなりました。
妹は昔から自分の選択をしっかりと母にぶつけていました。
妹のおかげで私もようやくそれを出来るようになりました。

その帰省中に私は母に自分の進路のことを伝えました。
「以前とっていた内定は辞退して、演劇の道に進む」
母は怒り、泣きました。
それでも私は私の気持ちを全部伝えました。
22年間生きてきて初めて自分の意見を母に言えました。
それから何度か話し合い、母は「賛成はできないけれど、あなたの気持ちは認める」と言ってくれました。
この言葉を聞けたとき、私は心の底から幸せでした。
ありのままの自分を母が認めてくれた。
私は私のままで家族でいていいんだと思えたのです。
妹にお礼を言ったら「馬鹿じゃないの」と笑われました。

今私は東京で演劇の制作に携わっています。
時たまチャンスがあれば自分も役者として舞台の上に立ちます。
母と妹も休みがあえば私の舞台を見に来てくれます。
私は妹の言葉のおかげで自分に正直な人生を歩めました。
妹には心から感謝しています。

error: