素敵な夢だね、いつかTVで姿を見るのを楽しみにしているよ。
投稿者:ゆい (1997年生まれ/女性/埼玉県在住)
私は中学校を卒業してからは高校にも行かずにいつも街をふらふらしていました。
何も夢のない私は、中学校の友達から「医者を目指している」だの「学校の先生を目指している」だの聞くと無性に腹が立ち、その内に友達とも距離を置いてしまっていたのです。
厳密には私には夢がまったく無いのではなく、夢はあるのにどうせ叶うことのない夢と諦めて、心の奥底に隠しているのを自覚していました。
しかしあのころは、その夢に向かって走り出すことができずに、その場で足踏みをしている状態だったと今では思っています。

私の夢はシンガーソングライターで、これになるには作詞、作曲の才能がないと無理だということは中学2年くらいの頃には分かって、その才能が私にはないことにも気づいていたのです。
なぜシンガーソングライターになりたいのかと言うと、ただ単純に歌うことが好きで、自分が作った歌を歌って仕事をしたいなと思ったから。
でも歌もそんなに上手くない、楽器も弾けない私はその夢を諦めて一時期はバイトもしていたのですが、ずっとこの仕事はやりたくないとすぐに辞めてしまい、求人誌を見ても仕事をする気にはならず、親に怒鳴られる毎日を送っていました。
ある時、久し振りに遠い県に住むおじいちゃんが遊びに来る事に。
私は、おじいちゃんをリビングのソファに座らせてお互いの最近の事など話しました。
おじいちゃんは親と違ってこんな私でも優しくしてくれるので、私はおじいちゃんの事が大好きです。
おじいちゃんと2人きりで話をしていると、何か夢は見つかった?とおじいちゃんが私に聞いてきて、私は一瞬とまどいながらも、おじいちゃんになら言ってもいいかなと思い、私の夢について話してみました。
すると私の夢を聞いたおじいちゃんは「素敵な夢だね、いつかTVで姿を見るのを楽しみにしているよ。」と言ってくれたんです。
何気ない言葉だったけど、私に期待してくれて応援してくれる人がいる事に感動して泣きそうになりました。
このおじいちゃんの言葉で私は自分の夢を叶えようと思い、今では頑張ってギターと歌の練習をして時々ストリートで歌ったりしています。