疲れた時は遠くへ行け!
投稿者:Keiko (1970年生まれ/女性/千葉県在住)
私が就職活動をしていた時は、就職氷河期が始まったころでした。
なかなか就職先が決まらなかったのですが、働きたいという気持ちはとても強く、「社会の歯車になりたい!」と思っていたものです。
ようやく就職先が決まり、貿易事務の仕事に就きました。
毎日1分も無駄に出来ない様な状況で、残業も多かったのですが、私の「歯車になりたい」という気持ちにはぴったりの仕事。
仕事は大好きだったし、毎日残業の日々に不満も無かった。。と思っていました。
しかし、2歳年上の兄は私の必死さの先に何か不安を感じたようです。

社会人3年目に、私はとうとう倒れてしまいました。
もちろん、仕事だけの疲れではありません。
残業が終わってから、職場の人と夕食を済ませるためにも飲みに行って、仕事か飲みかで毎日12時過ぎに帰っていたのです。
その為、体が悲鳴をあげたのでしょう。
ある日突然、視界がぐるぐるとまわり、まっすぐ歩けなくなってしまいました。
その時、病院では病名は言われませんでしたが、メニエール病とか自律神経失調症の症状だったと思います。
しばらく会社にも行けず、ようやく行けても途中で帰ってくるような日も続き、最終的には担当も変わってしまいました。
色々なことを受け入れて、一歩前に進むには難しい状況。
「こんなはずじゃない。。」
毎日そんなことを考えていました。
3か月ほどたち、普通に会社に通える様になりました。
新しい担当の仕事にも慣れていき、少しずつ受け入れられなかった現実を受け入れられる様になりました。
それでも不安は消えません。
どうしたら同じようなことを繰り返せずにいけるのか。。
もちろん、体調管理が一番大事なのですが。
そんな時に兄に「疲れた時は遠くへ行け!」と言われたのです。
それまでも旅行にはたまに行っていましたが、時間が無かったので、なかなかいけない状況でした。
でも、担当が変わって少し時間の余裕も出来たこともあり、私は友達と、時には一人で国内だけでなく、海外にも旅行に行く様になりました。
旅行先で出会った人達から色々なことを学びました。
どこの景色も、心に残っています。
仕事に打ち込むことも大事なことですが、色々なことが見えなくなっていた自分に気が付きました。
遠くに行くと、現実からも離れ、視野が広がり、たくさんのパワーがあふれてきます。
きっと兄はそんなこと言ったのも忘れていると思いますが、私はあの一言でその後の人生を前向きにやり直せたと思っています。
今は子供がいるので、なかなか遠くには行けませんが、いつか子供にその話をしてあげたいと思っています。
今は遠くにはいけないけれど、疲れた時は空を見て、遠くに行ったつもりになっています。