努力は絶対に自分を裏切らない。自分の力になっていくんだ。

投稿者:りゅか (1980年生まれ/男性/東京都在住)

高校生の時に先生に言われた一言が忘れられません。
当時、僕は自分の要領の悪さ、融通の利かなさに悩んでいました。
例えば、グラウンドの草むしりを行っている時、にわか雨が降ってきたときのことです。
今考えると、一旦雨宿りをし、雨が止めば改めて作業に戻ればいいだけのこと。
しかし、当時は「草むしりをしなければ!」と言う妙な使命感に燃え、雨の中をずぶぬれになりながら草むしりを続けました。
雨なので、草が濡れ、手が滑り、効率も悪かったでしょう。
やっとの思いで草むしりを終え、先生に報告に行きました。
しかし、先生はもっと短時間でできると思っていたらしく、「ずいぶん時間がかかったな、しかもずぶぬれじゃないか。雨だったら一旦切り上げてもよかったんだぞ。」と言われる始末。
後でチェックしてもらうと、完全に草を取り除けていないところもありました。

「お前は真面目なんだがなあ・・・。」
融通の利かないことは自分でもわかっていました。
人がすぐできることでも、自分はじっくり時間をかけないとできないことが多かったのです。
友人たちからもからかわれ、自分ではどうしていいかわからなくなりました。

「どうすればいいんですかね・・・?」
ある日、職員室でわらにもすがる思いで先生に聞きました。
すると先生は「俺も要領悪い方でなあ・・・、人の2倍努力してやっと人並みだって、母親からも言われたよ。」と、笑顔で答えてくれました。

そんな答えじゃない。
もっと違う答えはないんだろうか・・・。

先生は続けて言いました。
「でも人の2倍努力できるってことでもあるんだぞ、努力は絶対に自分を裏切らない。自分の力になっていくんだ。」

その言葉に救われました。
自分はこれでいいんだ、無理に変わる必要はないと思えるようになったんです。

そんな自分も今は社会人。
何とか就職し、人並みかどうかはわかりませんが仕事をしています。
今でもミスをし、そのたびに落ち込むこともたびたびです。
その時、頭の中にあの言葉が浮かんできます。

ある程度の年齢になり、後輩に指導することも増えました。
仕事が上手くできず、落ち込んでいる後輩。
痛いほど気持ちはわかります。
落ち込んで肩を落としている後輩に、あの言葉を伝えようと思います。

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