幸せって現状のことじゃなくて、幸せと心が感じた時のことなんじゃない?

投稿者:世之介 (1990年生まれ/男性/静岡県在住)

「幸せってなんだろう」
こんなことを毎日考えながら過ごしていました。
仕事は辛い、職場の人間関係もあまりうまくいってない、毎日が楽しくない。
そんな日々を送っているうちに、いつもそんなことを思うようになっていました。

いつからかそんな日々に耐えきれなくなり、会社を辞めて自転車で日本一周の旅にでます。
まさに現実逃避の旅です。
せっかく日本一周をしているにもかかわらず、ぼくの頭の中は「幸せとはなにか?」ということで頭がいっぱいでした。
新しい土地に足を踏み入れても、経験したことのない出来事が起こった時も、あたまの片隅には常にそのようなことを考えていました。
今考えれば自分でも頭が硬かったと感じます。

自転車の旅も進み、北海道の離島にたどり着きました。
その島での景色はぼくの心を魅了し、「ここで働きたい!」と思いました。
そして民宿で働くことになります。

きれいな自然に囲まれた生活、気の合う仲間たち。
毎日がそれなりに楽しく感じました。
だけど、まだ自分の悩みは解決しません。

ある時、一緒に働いていたスタッフに悩みを聞いてもらいました。
「幸せってなんだろう。いまだに幸せがなんだかわからない」
そう言うとそのスタッフは一呼吸おいて「今、幸せじゃないの?」とぼくに聞いてきました。
そこでぼくは一瞬ハッとしてなにかに気付きかけました。
それと同時ぐらいにそのスタッフがこう言いました。

「幸せって現状のことじゃなくて、幸せと心が感じた時のことなんじゃない?
俺はね、今正社員じゃないし給料少ないし、バイトが終わったらまた無職になるし、将来の夢とかないけど、今、すごく幸せだよ。
こうして毎日きれいな景色を見れるし、ここで気の合う仲間たちと働ける。
毎日が楽しい。それはね、やっぱり心が幸せと感じてるからだよ」

ぼくは自分が幸せだと感じる心が足りなかったことに気付きました。
心のどこかで自分の自身のなさに対する負い目のようなものがありました。
でも、この言葉を聞いた時、心がすごく軽くなりました。
「幸せって正社員になるだとか、給料のいい仕事に就くとか、そういう現状のことじゃなくて、心が幸せと感じればそれでいいんだ」と思いました。

それからの旅は毎日が楽しく、最高の旅になりました。
大変なこともありましたが、それもふくめて毎日が幸せに感じました。

ぼくはこの友人が言ってくれたひと言を忘れません。
「幸せだと思う心」を忘れずにいつまでも生きていきたいです。

error: