死ぬこと以外はかすり傷
投稿者:eri (1984年生まれ/女性/岡山県在住)
慣れない育児や地域の役員、主人の実家との付き合いなど、母親として妻としての役割がのしかかり、息ができなくなっていた私は、その日ママ友の1人と食事をしていました。
全般の信頼を置いていたこのママ友は、様子がおかしい私を気遣って誘ってくれたようでした。
小心者の私は人に嫌われる事が怖くて、他人と深く関わってこなかったのですが、家庭を持った今、家族のためにもコミュニティに参加せざるを得なくなり悩んでいました。
地域の役員などでの他人からの意見や要望、主人の実家からの子育てに対する口出しなど、様々な事に追い詰められていたのです。

そんな身動きできなくなっていた私を救ってくれたのは、その時ママ友の発した言葉でした。
「そんなに心配しなくていい。
どんな事言われたって、死ぬこと以外はかすり傷だよ。
そう思っていれば、全然怖くないでしょ。」
青天の霹靂でした。
私が悩んでいたことがいかにちっぽけなことだったのか、やっと気がついたのです。
同時に、私が追い詰められる程悩んでいた事をかすり傷と言ってのけた友人の残酷さが正確すぎて、逆に嬉しくなりました。
私の事をこんなに冷静に客観的に見てくれている友達がいるんだ。
今はきっと最悪な事態じゃない。
それこそ死ぬ程にもっと下があるんだから、まだやれるはず。
どんな事でも死ぬ気でやろうと思えば、もう少し先に進めるような気がしたのです。
ママ友は、テレビのインタビューで女性がその言葉を言っていたのを聞いたらしいのですが、同じ様に何かに悩んでいたそうで、とても救われたと笑いながら話しました。
人間関係なんていくら考えてもしょうもないことに頭を使っている私の様子が、その時のママ友自身の姿に見えて、思わず口から出たと教えてくれました。
死ぬこと以外はかすり傷。
この言葉はその後、私の座右の銘になりました。
よっぽど辛い事があっても心の中でこの言葉を思い出すと、目の前が開けて見えて解決に進む勇気をくれるのです。
今、何かに囚われて辛い思いをしている人がいたら、是非この言葉をかけてあげたいと心から思います。