君と一緒にいると癒されるけど、得るものがないね

投稿者:ぽぽ (1975年生まれ/女性/愛知県在住)

大学1年の時の彼氏からのひとことでした。
それまであまり恋愛経験がなかった私には、彼氏に対してどんな態度を取るのがベストなのか、どんな話題をすることが喜ばれるのかもわかりませんでした。
とにかく笑顔でいることや、彼氏の話に「そうなんだね」「すごいね」程度のリアクションをすることで精一杯でした。

2つ上の彼氏は国立大学在籍中でイケメン、もちろん知的で男性からも尊敬される存在です。
そんな彼氏とつきあうことができて夢見心地だった私に、この言葉は相当なダメージでした。
女性は笑顔でいることが一番で癒すことが良いと思い込んでいたのですが、それは間違っていたようです。
少なくとも彼氏にとっては。

それからは一生懸命新聞を読み、時事問題にも意識を向けるようにしたり、女子同士でつるんで過ごすことも控え、1人でも興味があれば行動して知識を増やすことを意識するようになりました。
その彼氏にはフラれてしまったのですが、とにかく見返したいという思いで一生懸命努力を続けていったのです。
するといつしかそれが自然になり、努力から日常へと変化をしました。

大学を卒業してから当時の彼氏とまた連絡を取り合うようになったのですが、その時には彼氏から毎日連絡をしてくるようになり、お互いの関係にも変化が訪れました。
私もあれから恋愛経験を積み、男性を癒すだけでなく叱咤激励をすることもできるように成長しており、少しは自信が芽生えてきていました。

時が流れ、26歳になり、彼氏からこんな一言をもらいました。
「君と話すと本当に楽しい。本当に変わったね」
そしてやり直したいという言葉も聞けるようになりました。
当時彼氏もいたので残念ながらやり直すという選択にはなりませんでしたが、今では親友のような存在です。

あの時、辛辣なあの言葉があったから私は成長できたことは心から感謝すべきことだと思っています。
これは恋愛面だけでなく、人生においても大きな意味を成す言葉であり転機となっているのです。
というのも、大学時代までほのぼのと過ごしてきた私も、この言葉の影響で自分改革に乗り出しました。
自分を変えることで人間関係も広がり、知識幅も増えただけでなく、学びたい、成長したいという思いがめらめらと心の奥底から湧いてくるようになったのです。
その結果、私の人生は大きく変化を遂げ、今では大学教員として学生たちに関わる責任ある立場に立つことができました。

誰しもある転機、人生にとって影響があった言葉。
見落としてしまってスルーをしてしまうこともあるかもしれませんが、学生たちには、そんなことがないように、日々アンテナを立て、研ぎ澄まして過ごしていってほしいと思っています。

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