お前はうちの太陽なんだよ

投稿者:たんくんのヨメ (1971年生まれ/女性/宮城県在住)

2人の子供に恵まれ、専業主婦を6年経験後、社会復帰を決め、働きに出ることになりました。
子供たちは保育所へ預けました。
ゆとりをもってパートで働いていたものの、私自身も子供たちも、いままでとは違う環境に戸惑いを感じていたのだと思います。

働き始めて半年後、我が子2人とも、円形脱毛の症状がみられました。
女の子なので、髪は命です。
それだけに私は大きなショックを受けました。
私がゆとりがないばかりに、子供たちをこんな目に遭わせてしまった。
私は自分を責め続け、悩みました。

働き方を考えた上で稼がなくちゃならない。
世間に置いていかれたくない。
でも、まだ小さな我が子に負担をかけたくない。
家庭も大事。
仕事も大事。
どっちも捨てられない。
もうどうしたらいかわからない。

思い詰めていたある日のことです。
子供たちが寝た後、張りつめていた糸がぷつんと切れ、私は夫の前で号泣しました。
「私なんて、母親失格だよね。主婦としても失格だよね。ごめんね。」
泣きじゃくる私に、夫はこう言いました。

「そりゃあな、最初は誰だってすべてうまくいくわけじゃないさ。
子供ができて、俺はお父さん、お前はお母さんになったとはいえ、完璧じゃあないんだよな。
俺らは子供を育ててるけど、同時に、子供たちに、お父さん・お母さんにしてもらっていて、
お父さん・お母さんとして育ててもらってるんだよ。
他の家はわからないけどな、うちはうちでいいんだと思う。
お前も頑張ってると思うよ。
でもな、ひとつだけ、気になってたことがあった。」

「気になることって、何?」

「一生懸命やってはいたんだけど、お前からは徐々に笑顔が消えていった。
子供らにも少なからず影響したと思うよ。
だって、家にいた時は、子供らといっぱい話して、いっぱい笑っていたじゃん?
俺の前でも、以前と比べて笑わなくなったと思う。」

言われてみれば、確かにそうでした。
仕事先では笑顔でお客様に接していましたが、帰宅すると疲れが出て、家事育児に追われ、笑うことすら忘れていました。

夫は続けて言いました。
「あのな、お前はうちの太陽なんだよ。
確かに、俺が中心で稼いで生活はしている。
でも、金だけで生きていけるわけじゃあないよな。
お前が子供の面倒を看たり、家のことをやってくれたりすることで成り立ってるんだよな。
さらに、お前がいつもでっかい声で笑って、いつもニコニコしていて、それで俺も子供たちも安心して暮らせるんだよ。
太陽がなかったら、地球に人は住めないだろ?
それと同じ。
お前がこの家にいなかったら、輝いていなかったら、うちは成りたたないの。
だから、ひとまず笑ってくれないかな。」

わたしは、涙でグシャグシャになりながらも、精一杯笑顔を作りました。
「うん。それでいい。そうしていてほしい。よしよし。」
そういって、夫は私の頭をなでてくれました。

それからの私は、毎朝、鏡の前に立つと、必ずニッコリ笑います。
そこから1日が始まります。
子供たちを叱ることもありますが、そのあとは必ず「怒ってごめんね」と言って、子供たちをぎゅっと抱きしめ、おでことおでこをくっつけて、ニッコリ笑うようにしました。

今では、子供たちも思春期を迎え、もうハグもあまりさせてもらえなくなったし、おでこをくっつけることもなくなりましたが、普段の何気ない挨拶をする時、送り出す時、迎え入れた時、何かにつけて笑顔で接するようになりました。
もちろん、夫に対しても、です。

私は我が家の太陽です。
たまに雲が邪魔したり、雨が降ったりもしますが、ちょっとでも光を放つことが私の役目です。

夫も子供たちも、周りから言われるそうです。
「あなたの家は、いつも楽しそうだね。」
と。

私の周りにも、育児に疲れたり、悩みを抱えたりするお母さんがたくさんいました。
相談された時には必ず、「お母さんは太陽なんだよ」の話をしています。

error: