1年なんてあっという間だから
投稿者:つかさ (1988年生まれ/女性/ロシア在住)
外国への1年間の赴任が決まって、あと2,3週間で出発するという時に片思いの相手に会いに行きました。会って遊んだりご飯を食べたりしている間は私の海外転勤のことには全く触れずに、普通に楽しく会話をしていました。
確かに楽しかったですが、もうすぐ外国に行くということは伝えていたので、「どうして転勤について何も言わないんだろう。彼は寂しくないんだろうか」とちょっと悲しい気持ちになりました。
でも帰るとき、駅まで送ってくれた彼が改札の前で突然立ち止まり、「1年なんてあっという間だから」と言いながら、私の肩にそっと腕を回してきました。
私が何も言えずに黙っていると、彼は続けて「だから笑顔でお仕事がんばっておいで」と言ってくれました。
このときに初めて「あぁ、彼も寂しいんだな」と思いました。

この日に告白してフラれたらもう二度と会わないでおこうと決めて行ったのに、結局告白は出来ませんでした。
彼からも、今後の二人の関係については何も言われませんでした。
しかし、彼からこの言葉をもらったのがすごく嬉しくて、あれこれと関係を進めようと焦っていた気持ちはなくなりました。
私の人生の転機といえるタイミングがこれまでにもいくつかありましたが、その度に彼は色々な言葉をくれます。
恥ずかしがり屋な性格の彼は、大体いつもメールか電話です。
面と向かって言われたのは今回が初めてでした。
だから、余計心に残っています。
もしかしたら、帰国する頃にはお互いに別の恋人ができていたりして、彼とは会わなくなってしまうかもしれませんが、それでも彼と出会えてよかったと思える出来事でした。
現在赴任している地域は日本人がおらず、インターネットの状況も不安定なため、日本にいる友達や家族とあまり連絡できません。
また、仕事もかなり忙しいため、つらい思いをしていますが、彼の「1年なんてあっという間だから」という言葉をいつも心の励みにして、異国での日々を過ごしています。