お前の器は全然小さくなんてないよ。

投稿者:ゆきらら (1986年生まれ/女性/東京都在住)

私は1年間付き合った彼と別れました。
彼は職場の先輩で、明るくおもしろくて、誰からも好かれる人だったと思います。
それに比べると私は対照的で、特に目立った特技のない地味な女です。
なぜ彼が私の様な女を選んでくれたのかはよくわかりませんが、きっとただ珍しかったのだと思います。
「自分になびかない女」が。

彼にとって私は、手に入ってしまえば次第に魅力のなくなってしまうものだったのでしょう。
彼は何度も浮気を繰り返しました。
そして、私はそれに対して責めることも、やめてくれと頼むことすらしなかったんです。

社交的な彼は浮気を私だけでなく、同僚達にも隠す事はしません。
しかし、彼を責める人は誰一人としていませんでした。
私はついにそんな境遇に耐えきれなくなり、彼に別れを告げたんです。
彼は「わかった。」と軽く答えるだけで理由すら尋ねては来ませんでした。

翌日、私達の関係が終わった事を、ほぼ全員の同僚が知っていました。
そこで女性の先輩に、「貴方は器が小さいねー。彼と付き合うんならちゃんと受け止めてあげなきゃ。」と今更ながらアドバイスを受けたのですが、私にはこれが一番堪えた。
ずっと我慢してきて、受け止めようと思ってたのに。
私は返す言葉も見つからず苦笑いをして、誰もいない屋上に逃げました。

全身の力が抜けて座り込んでいると、誰もいないと思っていたそこには、同期の男の子が静かにタバコを吸いながら座っていました。
「ごめん、気付かなかった…。」
と謝ると、
「よく、頑張ったな。」
彼はそう言って私の頭を撫でてくれたんです。

私は思い切り泣きました。
そして今までの事を全て話しました。
何度も繰り返し浮気を黙認してきた事。
さっき先輩に器が小さいと言われた事がショックだったこと。
私の口から誰かにそんな話をするのは初めてでした。

「もう、限界だったんだもん。」
「一生懸命受け止めようとしたら、割れちゃったんだよな。」

まさにその通り。
何度も受け止めようと飲み込んできたけど、もうこれ以上は無理だっただけだ。

「お前の器は全然小さくなんてないよ。」

私は彼の言葉で本当に救われました。
彼がいなかったら、今でも立ち直れていなかったかも。
たった一人でも分かってくれていた事が、こんなにも力になるなんて思わなかった。

彼への感謝はこれからもずっと忘れません。
ありがとう。

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