優しすぎるからゴメンね
投稿者:しるお (1978年生まれ/男性/富山県在住)
彼女と言っても20年近くも前のことで、高校生の時に3ヵ月程度付き合った年上の女性の話。
当時の自分は、今の自分とは比較にならないくらいにバスケットボールに励むスポーツマンで、二枚目過ぎることはないけど、よく「二枚目半」と言われていたくらいの容姿だった。
件の女性は、部活動のマネージャー(年上)と同じクラスの人で、どういうわけか高校生では珍しく(多分…)年下の自分なんかに興味を持ってくれた人。

紹介を受けた際、マネージャーからは男付き合いが豊富で、あまりお勧めできないって感じで言われたけど、容姿はタイプそのもの。
背も小さくて、年上の女性ながら可愛さがあり、良い意味でエロティックな雰囲気のある人だったから、二つ返事でOKをしたのを覚えている。
部活動をしていたため、毎日一緒に帰るようなことはなかったけど、時間を見つけては自宅とは真反対の彼女の家近くまで一緒に帰り、暗くなるまでたわいのない話をしたり、家に帰っては夜遅くまで固定電話で長々と話をするような毎日。
また学校が休みの日曜日は彼女の家にお邪魔したり、自転車で買い物に出かけたりした。
今の社会では想像もつかないだろうけど、手を握って顔を赤らめるような初心なお付き合いだった。
そんな毎日がこれからも続くだろうと思っていた矢先、突然彼女が切り出した別れ話。
理由を聞くと「優しすぎるから」との回答。
実は、20年近く経った今でも、何が優しすぎたのかが分からないままでいる。
1つだけ考えられるのは、彼女の家などで二人っきりの時が何度もあったのに、いわゆる「手を出さなかったこと」がダメだったのか、ということ。
今の時代で言えば、「オラオラ系」が良かったのかもしれないと思わないでもない。
この一言は、実は以後の恋愛にも多分に影響している。
ただし、今なお答えが出ないままだから、優しさというものをはっきり分からず年を重ねてしまったことも事実。
だから時代が繰り返すように、そのあとも「優しさ」を理由にフラれたことが数度ある。
答えが出ないままだけど、1つ仮説を立てるとしたら「優しさ=気弱さ」があるのではないだろうか、と。
ずっと好かれていたい、嫌われたくない。
そんなネガティブ思考からくる気弱さが、相手を不安にならせてしまったのかもしれない。
「俺に付いてこい」ってタイプじゃないけど、弱みを見せない、背中で語る昔気質の男性がいつの時代も受け入れられる気がする。
はき違えてはいけない、優しさ。
そして見せたり与えたりするものじゃなくて、気づいてもらうものなのかもしれない。