自分の大切なモノを大切にしてくれる

投稿者:rinoshico (1975年生まれ/男性/群馬県在住)

いまから10年前のことです。
今の妻と結婚式をあげたときのはなしをします。
私たちは、小さな教会で身内だけの小さな結婚式をあげました。

親兄妹、親戚だけ集めた食事会の途中、急に叔父が立ち上がり、皆の前でマイクを使って一言言いました。
「お互い、どういうところが好きで結婚の決め手になったの?」
私は、突然の質問だったので戸惑いながらも「やさしくて料理が上手なところ」とありきたりな返事をしました。

次に妻にマイクが向けられ、何をいうのかひそかにドキドキしていました。
妻は少しだけ考えたあと、こう言いました。
「自分の大切なものを大切にしてくれるところ。」

今まで、5年くらいのお付き合いを経て結婚した私たち。
喧嘩も多かったし仕事も忙しく、お互いのどこが好きかを伝え合うなんて機会は全くありませんでした。
でも、私のどこが好きかを聞かれて、茶化したりはぐらかしたりするわけでもなく、さらにいうと容姿を褒めるでもなく、まっすぐ「自分の大切なモノをたいせつにしてくれる」と言ってくれたのは今でも忘れられません。

彼女の大切なモノ。
おそらくそれは、彼女の両親だったりお友達だったり。
あるいは彼女の趣味の時間であったり。
目に見えるものもあれば、目に見えないものもあります。

結婚前のお付き合いをしている間、私は仕事に追われながらもできるだけ彼女の時間や彼女の付き合いを尊重してきました。
お互い勤務時間のすれ違いが多い中、相手の休みの日は自分が仕事という日も少なくありません。
だから彼女の大切な時間は彼女のものだと思うので、過剰な束縛や干渉を避けてきたんです。
また、彼女の友人が訪ねてきたらできる限り楽しい時間を一緒に過ごすように心がけてきました。

それはあくまで自然な行動でしたが、結婚式で妻が言ってくれた言葉を聞いて、普段の彼女への想いが伝わってくれていたんだなと思い、とても嬉しかったのを今でも覚えています。

あれから子どもも二人生まれ、相変わらず慌ただしい毎日ですが、彼女の大切なモノを大切にする気持ちだけはこれからも忘れないでいようと思います。

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