一年半では私はわからない

投稿者:knarl (1991年生まれ/男性/兵庫県在住)

私は数年前、当時交際していた女性から今でも忘れられない言葉をかけられました。
お付き合いして約1年半が経ったころ、彼女が別れ話をしている中で私に発したものです。
当時の私にはある種ショックにも思えたのですが、冷静になって振り返ると男女の付き合いにおいて何か大切なことに気付かせてくれたと思います。

当時私たちは互いに学生で、出会った場所もバイト先でした。
私にとってバイト代は自分が遊ぶお金、つまりは小遣いのようなものでしたが、彼女は自分が通う専門学校の学費を自分で稼がなければならず、日中アルバイトをした後に夜間学部に通っていました。
私は少しでも彼女の負担を減らすことができればと自分も出勤回数を増やし、給料の一部を彼女との食事や一部仕送りのような形で渡すようになりました。

そうして互いにアルバイトに明け暮れる生活が続き、すれ違いや喧嘩も頻繁に起こるようになってしまいました。
私とすれば彼女のためにアルバイトを増やして彼女を支えているつもりでいたのに、彼女のもともとのわがままな性格は直らないばかりか悪化するばかりで感謝がみじんも感じられない・・・というのが言い分でしたが、彼女は毎度「そんなこと頼んだ覚えはない」と言うのでした。

結局はいつも私が彼女をなだめるようにしてその場を収めていたのですが、それがあまりに続くと私も彼女の気持ちを確かめたくなります。
そこである日いつものように喧嘩になったところで私から別れを切り出してみました。
彼女は驚いたような表情を見せたのですが、なんとすぐに私の自宅に持ち込んでいた荷物をまとめだし、別れ話をすんなりと受け入れたのです。
そして最後に彼女が私に言い放ったのが「一年半では私はわからない」という一言でした。

彼女と別れ、アルバイトの回数も必要最低限に戻し生活が落ち着き始めたころ、依然としてこの言葉は私の胸に残り続けました。
結果的に私がしていたことは自己満足で、彼女にとっては逆に負担だったのではないかと私は自分を責めました。
もしかすると私が彼女のためにお金を稼ぐ事よりも、彼女が疲れて返ってきたときに笑顔で迎え入れてあげるだけでよかったかもしれません。

大切なパートナーを支える方法は様々ですが、自分で考えて行動した結果、相手にとっては好ましくないことをしてしまうことはよくあることです。
あの一言は、一番近い存在だからこそできる事は何か、ということを考えさせられたという意味で、とてもとても大事な言葉です。

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