自分のことだって思い通りにならないのに、他人が思い通りになるわけないのにね。

投稿者:レノヴァ (1990年生まれ/女性/東京都在住)

私が教員として都内の中学校に勤めていたときの話です。
当時中学2年生の担任として働いていたのですが、中学2年生というのは多感な時期で、そして多くの生徒が恋愛に関して色めき立つ学年でもありました。

私には当時お付き合いしている男性がいたのですが、教員という職業柄、朝は早くから、そして夜は遅くまで毎日を過ごし、土日でさえも平日に終わらなかった作業をこなしたり休養をとったり部活動の面倒を見たりと、とにかく毎日をあわただしく過ごしていました。
彼とはなかなか会う時間がとれ ず、メールや電話でコミュニケーションをとる他ありませんでした。
彼はどちらかというと多忙ではない職種に勤める方だったため、間が悪いことも多ければ、 私の思ったときに思った言葉をかけてくれるようなことは少なく、少々うんざりする日々が続いていました。

中学校ではもうすぐ修学旅行という時期になり、カップルが一番増える時期になりました。
誰が誰を好きで、誰と誰が付き合っている、という話題に生徒も教員も花を咲かせていました。
私の心に残っているのは、そのときのある女子生徒の言葉です。

その女子生徒は、どちらかというと大人しいタイプで、自己主張をすることは少ない生徒でした。
周りの生徒の恋愛話にもあまり口を出さず、興味もなさそうな素振りでした。
その女子生徒が恋愛格言を残すなどとは思いもせず、その日も、たまたまその場に居合わせた、という程度に見えました。

ある日の放課後、その女子生徒を含め、数人の女子生徒とおなじみの恋愛話をしていました。
ある生徒が、付き合っている男の子にわがままを聞いてもらえないし思ったようなことをしてくれるわけでもない、思い通りにならないのがつまらないと言うのです。
そのとき私も、彼のことを思い浮かべながら「まあ、そういうものだよね。相手は必ずしも思いをくみとってくれるものではないよね」と、ありきたりなことをつい言ってしまいました。
すると例の女子生徒が言うのでした。
「自分のことだって思い通りにならないのに、他人が思い通りになるわけないのにね。」

彼女の言っていたことこそ当たり前のことかもしれませんが、私にはつい、忘れがちな事実でした。
彼女の言葉に気付かされ、自分の彼への態度、他人への態度を改めるきっかけになりました。

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