もっと体を大事にしないとだめだよ。

投稿者:あや (1986年生まれ/女性/青森県在住)

10年ほど前の話です。
まだ世間も知らず遊び呆けていました。働いてはいましたが、仕事の後は飲みに出たり合コンに行ったり、夜の街を徘徊して過ごしていました。

そうなったのには原因があり、付き合っていた彼の束縛が激しく心身ともに疲れ切っていて別れを考えていた時に、先輩に助けられ支えられて先輩が私のそばにいてくれると約束したのに、実は体目的の浮気で捨てられてしまい、その全てを励ましてくれた友人も愛情ではなく体だけで、私を捨てて去って行きました。
そんな事が半年で一気に起きたら、男性からの愛情は信じられず、全ては体だけの関係なのだと思っていました。
なので、ナンパにも付いていくし合コンでもお持ち帰りさせるのは普通、事だけ済ませてタクシー代だけいただいて帰るなんてこともざらではありませんでした。
デートや合コンの誘いをしてくる人は、私を抱きたいだけなんだろうなぁっと考えるようになっていきました。

そんな時、飲み友達との待ち合わせ場所である駅前で一人待ちぼうけしていると、普段は絶対に耳を傾けないようなストリートミュージシャンの歌声が聞こえてきました。
クラブでの激しいダンスミュージックではなく、静かだけど優しいアコースティックギターの音。
立ち止まって聞く人なんていないのに、ずっと歌い続けるパワフルな歌声。
いつの間にか引き込まれていました。
何も言わず少し側に行きこっそり聴いていたら、友達がきて、そのまま夜の街に消えて行きました。

その後も毎日飲みに出ていたので毎日彼らの歌を少しづつ聞いていき、いつの間にか、彼らに会うために出かけるようになりました。
聞きだしてから1カ月ほどしたら、初めは携帯をいじりながらコソコソ聞いていたのが、近くに座りこんで聞くまでになりました。
ナンパにはついて行くんですが、聞いている時だけは動きません。
音楽だけじゃなく、彼らの人柄に惹かれていました。
恋愛じゃなく家族のような優しい雰囲気に癒されていました。

そんな彼らに、自分がこんなに汚れている女だと知られたら軽蔑されてしまうと思い言えずにいました。
だけれど、いつしか、彼らなら自分のことを知っても嫌いにならないでいてくれる、それか嫌われたら去ればいい。と考え、打ち明けることにしました。
すると彼らは、自分のことではないのに、わんわんと泣いて、強く抱きしめてくれました。
「そんなことしないで。もっと体を大事にしないとだめだよ。何かあったらいつでも聞いてあげるし、笑わせてあげるから。」
自分を大事にしろなんて言われたことがなかったので胸を打ちました。

それ以来、ナンパにも付いていかないし、飲みに行くのではなく、彼らの歌を聴いて話をして帰る、という規則正しい生活になって行きました。
彼らから、時間の大事な使い方、男女の友情は成立すること、人を信じること、自分を大事にすることんど、たくさん大事なことを教わりました。
今でも彼らとは友人として、たまに話を聞いてもらったりします。
一人は今でも東京のライブハウスで歌っています。
今は主婦として子供にも恵まれて幸せに過ごせているのは彼らのおかげだと思い感謝しています。

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