良いんじゃない?

投稿者:美優 (1986年生まれ/女性/千葉県在住)

生まれつき持病がある私。
持病といっても手術をしたり薬を飲んだりしている訳じゃなく、そうならない為の予防にとても神経を使います。
育った家庭環境も決して良いとは言えず、結婚や家庭への憧れは幼少期からありませんでした。
「大人になったら、お父さんのお嫁さんになる!」なんて1度も思わなかったし、言った事も当然ありません。

高校生になって、小学生当時からの腐れ縁だった男の子とお付き合いする事になりました。
同じクラスになったのは1度だけで、でも顔を合わせると声をかけてきていた男の子。
当時の私にとっては、居場所のない家庭からも学校からも離れて居られる貴重な存在で、生まれて初めての彼氏という事もあり、「恋に恋をしている」状態だったと思います。
一方、彼は私と交際を始めてからも友達との時間を大事にしていたので、次第に私達の関係が「恋人」ではなく「友達」のように感じられ、2年ほどでお別れしてしまいました。

それから10年ほど経ち周囲に既婚者が増える中、私は結婚どころか彼氏すら居らず、しかしそれを悲しいとも思わず「とりあえず孤独死だけは避けたいし、将来の為に蓄えておかなきゃ」と考えて、職場と家の往復だけの日々を過ごしていました。
そんな中、別れて以来全く連絡をしていなかった彼からメールが届きました。
高校生の頃交際していた彼です。

彼は高校卒業と同時に地元を離れて就職していて、お盆と年末年始だけ帰省しているとのことでした。そしてその年の年末に同窓会があるので、良かったら来ないか?と。
しかし気が向かず、招待も受けていないのに押し掛けるのはどうかと思ったので丁重にお断りすると、「じゃあ久しぶりに2人で遊ぶ?」と言われました。
年末年始も実家に行く以外は何も予定がなかったし、聞いてみたら彼女も奥さんもまだ居ないとのことだったので、誰かを傷つける事もないと思ったので承諾しました。
今更2人で会ったところで、少女漫画みたいな展開にはならないし・・・・・・

と思っていたら、結婚前提の交際を申し込まれました。
あまりに急だったし意外で頭がついていかず、「私、家庭的な子じゃないよ!」「ほら、生まれつきの持病もあるし!」などなど、自虐的な言葉を連発。
好意を伝えられて嫌だった訳ではないのですが、私より家庭向きな人はたくさん居るし、持病の問題を誰かと共有する事が正直怖かった部分もありました。

でも、彼は冷静に「うん、でも良いんじゃない?」と一言。
私の育った家庭環境の事も、持病の事も交際していた当時に打ち明けていましたが、何年も経っているし忘れていると思っていました。
それを彼は全部覚えていて、その上で私を選んでくれたんだと知った時「この人と一緒に居続ける為の努力は必要だけど、もう無理はしなくて良いんだ」と、肩の荷が降りたような気がしました。
それまで、「こうあるべき」「こうじゃなければいけない」と自分で自分を縛り付けていたのかもしれません。

そんな彼は現在 私の夫となり、相変わらず大体の事は「良いんじゃない?」と言います。
それにつられるように私も「じゃあ、いっか」と少し楽に考えながら、充実した日々を送っています。

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