自分が信頼できる人なら良いよ。

投稿者:かず (1982年生まれ/女性/兵庫県在住)

私は現在33歳の主婦です。
これは、私が結婚することに決めた事を両親へ報告した時のお話です。
29歳の頃、当時付き合っていた彼と結婚することを決めました。
彼と交際をしていたことは両親とも知っていましたが、結婚を考えていないなら他の人を探してもいいんじゃないのと母にはよく言われていました。

そんな彼と結婚を決め、独り暮らしをしていた私は報告に実家へ帰りました。
母には、父が仕事に行っている間に普段の会話をする感じで結婚しようと思っていると話すことはできたのですが、帰宅した父にはなかなか言い出せませんでした。
見かねた母が「今日は話があって帰ってきたんやろう?」と言ってくれました。

「ん~、実は…」という感じで口を開いた私。
「お父さん、結婚しようと思ってるねん。」というと父は何も言いませんでした。
その空気に耐え切れず、「約4年くらい付き合ってきて、自分が自分らしく入れる人。正直、結婚したら関東へ引っ越すことになるんやけど。どうかな?」と続けました。
下を向きながら平然を装っていた父は、軽く顔を上げ「自分が信頼できる人なら良いよ。」と一言だけ言ったのです。

私の家族は会話が多いほどではなく、私が小さな頃から父は何も口を出さない性格でした。
正直、何を考えているか分からず私に興味が無いのだと思っていました。
この言葉を言われた時も「なんで相手のことをもっと気にしないんだろう。」「そんなに大したことではないのかな。」と思いました。

それから結婚の準備を進め、結婚式当日の朝もいつもと同じような感じでした。
「また、あとで。」「今日は、よろしく。」というような会話でした。
いざ、結婚式本番。
父と腕を組むなんて今までした記憶も無かったし、これからもおそらく無いと思います。
2人で歩くバージンロード。
父の重い足取りに緊張感が伝わってきました。
それでも、参列者の方々へ笑顔を見せていました。
そして、最後の新婦の手紙。
読み終えて両親を見ると父がハンカチで目をおさえていました。
今まで見たことが無い光景でした。

あれから3年、私も子どもを産んで思うことは、父は私を信頼してきてくれたということです。
私に無関心だったわけでも興味が無かったわけでもなく、信頼してきてくれたから多くの口をはさまず、やりたいことをさせてくれてきたんだと思います。
だからあの時、私自身が信頼できる人ならと結婚しても良いよ、と許してくれたのだと思います。

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