感謝と慈悲の心

投稿者:ぐらしあす (1985年生まれ/女性/三重県在住)

結婚予定が決まり結婚に向かって進み始めるといろいろな困難が待ち受けていました。
彼の実家は自営業。
彼も私も今ある仕事を辞めて彼の実家に入ること。
彼の実家の希望に100%応えること。
「サラリーマン家庭の我が家と彼の実家が釣り合わない」、「格が違う」と、本当は彼のご両親、親戚の方々がこの結婚を認めていないこと…。
いろいろとつきつけられることに私も彼もこの結婚はお互いにとって、お互いの家にとって良いことなのかわからなくなっていきました。

結婚へどんどん進んでいく中で、彼と私の心が少しずつ離れていっていました。
結婚したら誰よりも私を守ると言ってくれていた彼はご両親の言いなりになっていきました。
今考えれば家業を継ぐ彼にとって仕方がないことだったのでしょう。
でも当時の私は認められていない自分と守られることがないという不安で、結婚をやめてしまいたいという気持ちになりました。
母に話をすると「結婚が決まったことは親戚、ご近所みんな知っていること。今やめたらあなたも家族も一生の恥になる」と言われました。

私さえ我慢し続ければうまくいくんだ、そう思っていたけれど結婚をして幸せになれるのか本当に不安でたまらないとき、親友に相談をしました。
親友は働きながら病気のお母さんの看病を続けていました。
おばさま(親友のお母さま)は小学校の教師でした。
看病をしながら私の話をおばさまにした親友。

ある時、親友とそしておばさまからお手紙を頂きました。
私が格が違うと言われ本当は認められていないこと、今結婚を辞めると恥になることすべてを汲んだうえで書いてくださった手紙です。

『病気をして、心身ともに辛い目をし、家族や友人、その他の方々の支えで何とか生きる希望がもてるようになったとき、人間として一番大切なものは何かということに気づいたの。
それはね、「感謝と慈悲の心」。
人は自分の力では、生きてはいけないのよね。
多くの人に助けられあるいは大自然に支えられて、生きているのよね。
だから、今ある「命」を大切にし、周囲の人も大事にして、誰かのためにしてあげられることがあったらしていくことが意味あることなんだと思うのよね。』

『うちの娘には、私達両親も祖母たちも言ってるの。
「まだ若いのだからチャンスはある。失敗したからといって、うつ向いて暗い顔で歩くんじゃないよ。しっかりと顔を上げて、前向きに目標をもって明るく生きて行けば、幸せは向こうからやってくる。」と』

「感謝と慈悲の心」
その言葉がすごく胸をつきました。
私は我慢をして結婚をしたところで、自分も彼もそして家族も誰も幸せになることができない。
感謝と慈悲の心をもって、そして前を向いて生きていこうと。
この手紙の言葉に力をもらって私は彼との結婚をやめました。

一度決まった結婚をやめることは大変でした。
彼への気持ちを断ち切ることも式場をキャンセルすることも、両親、親戚への説明もすべてが大変でした。
でも、やめてよかったのです。

いまは違う男性と結婚をして子どもを授かることができました。
あの手紙があって今の幸せがあります。

「感謝と慈悲の心」。
私の大切な手紙であり言葉です。

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