案ずるより産むが易しだと思うんだけどなあ

投稿者:雪子 (1974年生まれ/女性/京都府在住)

30歳の時、私は高校時代憧れていた先輩とひょんなことから再会し、付き合うことになりました。
先輩は京都、私は地元の雪国在住という、遠距離からのスタート。
それでも交際は順調で、年齢的なこともあってか、すぐ結婚の話が出るようになりました。

そして交際して10ヶ月、ついにプロポーズが。
もちろん私にとって素晴らしい話でしたが、ひとつだけ気がかりなことがありました。
それは、
結婚=京都へ転居=私は仕事を辞める、実家から離れる、友人たちとも離れる
ということでした。

大学を卒業後、ひたすらまっすぐに頑張ってきた大好きな仕事。
上司部下に恵まれた素晴らしい人間関係の職場。
大好きな、そして年々年老いていく両親。
高校時代からのかけがえのない友人たち。

結婚するには、その全てとさよならしなくてはなりません。
もちろん永遠のさよならではありませんが、簡単に行き来できる距離ではありませんでした。

迷っている私を見て、いろんな人がアドバイスをしてくれました。
「あなたなら、どこでもやっていけるよ」
「どこでも住めば都だよ」
「転勤族の人たちは引っ越しばかりでもやっていってるよ」
「京都に住めるなんて、いいじゃーん」

どのアドバイスも私のためを思っての事ですが、どうもしっくりきません。
頭ではわかっていましたが、結婚への決意が固まらないまま日々が過ぎていきました。

そんな時、会社の後輩A子と更衣室で一緒になったときのことです。
着替えながら、私は結婚を迷っている旨をなんとなくA子に話していました。
「先輩のことはもちろん大好きで、結婚だってもちろんしたいし、この先こんないい出会いがあるかわからないし。でも、でもさ、、、」
ダラダラと往生際悪く私が話し続けていると、少しドライな、でも優しいA子がいつもの優しい口調でこう言ったのです。
「雪子さんの話聞いてると、案ずるより産むが易しだと思うんだけどなあ」

A子は実はバツイチでした。
若い頃結婚したもののすぐ別れ、再スタートを経験している女性でした。

あれこれ心配するよりも、まずは実行してみよう。
だめだったら、また戻ってくればいい。
A子のこの一言で、私は胸のつっかえがすーっと取れていきました。
不安で前に進めずにいる私を後押ししてくれた貴重な言葉だったのです。

その年のGW、私は結婚し京都に転居しました。
今年で結婚10年目になりますが、その言葉通り、物事はあれこれ心配するよりも実行してみれば案外たやすいものかもしれません。

error: