環境が人間をつくり、人間が環境をつくる。
投稿者:牧口光彦 (1961年生まれ/男性/鹿児島県在住)
この言葉は、私が建築デザインの勉強をしていた学校の先生の一言で、今でも私の行動基準として心に残っています。
このころ、私は、建築物より地域開発に興味を持っており、開発と言う理想と破壊と言う現実に悩んでいました。
人の暮らしを良くするために開発すると、かならず、何かを破壊せざるおえない・・・。
その学校には、建築を学びに日本各地から沢山の生徒が来ていました。
ある日、東京を再開発するという課題の時に、新潟から来ていたクラスメイトは、東京の現状を全く無視した再開発案を出してきました。
東京生まれ、東京育ちの私は、現状を無視したその再開発案を許せずに、批判してしまいました。
でも、その時これが“環境が人間をつくり”ではないかと気づきました。
彼の発想は、課題の趣旨とは違っていても、彼が育った環境で培われたものでした。

その後、地域開発の会社に入り仕事を始めると、バブル景気とも重なって、北は北海道から南は沖縄までの開発の仕事に携わりました。
しかし、プランニングを進めると、日に日に不安になりました。
それは、東京しか知らない私が、北海道や沖縄の開発に携わって良いのだろうか?!
“人間が環境をつくる”
このことから考えると、北海道から沖縄まで、東京のような街にしてしまうんではないか?!
そこで、私は、東京都とはまったく違う環境の場所をさがし、そこで3年間くらし、そのセンスを身につけようと考えました。
それこそ、北は北海道から南は沖縄まで、あらゆるつてをたどって探しました。
そこで縁あって決めたのが、鹿児島県の離島、トカラ列島の「宝島」でした。
それから、「宝島」で25年。「奄美大島」で5年。
“環境が人間をつくり、人間が環境をつくる”という言葉を胸に、奄美でゲストハウスを営みながら、環境問題に携わっています。