今は給料が安くても、沢山の人を喜ばせていればあっという間に沢山稼げるようになるからな

投稿者:久原浩 (1986年生まれ/男性/愛知県在住)

大学を卒業後もフリーター生活をしている自分に危機感を感じ、20代も中盤に差し掛かった頃に就職をしました。
とにかく安定した職に着きたくて、藁をもすがるような思いで正社員の仕事を探した為、就職した先は激務な上薄給でした。
私には学生時代の奨学金の返済もあるため、毎月の収支がマイナスになる程に困窮していました。
それでも最初は正社員になれたことが嬉しく、満足していました。

けれども、2ヶ月、3ヶ月と経つにつれて、段々と自分の境遇に疑問を抱くようになっていきました。
割に合わないと思うこともあれば、アルバイトの方がよっぽど稼げていたじゃないかなんて思うこともありました。
そんな気持ちがすさみ始めた頃に上司に言われた言葉です。

「どうだ、辛いか。そうだよな、この仕事はかなり忙しいからな。
でもな、○○(名前です)。
今は給料が安くても、沢山の人を喜ばせていればあっという間に沢山稼げるようになるからな。
だから、とにかく沢山の人に喜んで貰え。
人がお金を払うのは、商品にではなくその人にだ。」

頭を鈍器で殴られたような、そんな衝撃がありました。
自分の待遇のことばかり考えており、他の人にどう接するかなんて忘れてしまっていたのです。
その結果、毎日の行動も雑になってしまい、誰かを喜ばせることなんて程遠い働き方をしていました。

この言葉を放ったのが当時課長職に付いていた方だったので、とても勇気付けられました。
この人が言っているのだから、そうなのだろう。
それならばやってやろうと心に誓いました。

その日から、普段よりも掃除を隅々までやるようになり、接する人々には少しでも喜んでもらえるように意識するようになりました。
そして、その経験が現在の自分を作っていることは間違い有りません。

今では新人を指導する立場になりましたが、中には当時の自分と同じような悩みを持っている人もいます。
そんな新人を見つけた際は、当時の課長がしてくれたように、コーヒーを片手に将来を語るようにしています。
その人はもう上司ではなくなってしまいましたが、それでもこの言葉に勇気付けられたおかげで私はこの職に誇りを持って仕事をしています。

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