焦らず急げ
投稿者:yamasyun (1977年生まれ/男性/大阪府在住)
私が社会人になって初めて就職した時の話です。
当時の年齢は22歳で家電製品の配送の仕事をしていました。
配送助手としての勤務が多く、運転手の手伝いをメインでしていました。
運転手は日によって変わるので指示が毎回違いますが、ベテランの配送社員が多かったので仕事の事をたくさん教えていただいていました。
ある時、洗濯機の配送をしていた時の話です。
配送のドライバーはベテランで年齢は50歳位の社員でした。
いつもはドライバーが設置をするのですが、私にやってみるかと声をかけてくれましたので挑戦してみることに。
日頃から洗濯機の設置は見ていたのでほとんどの工程は覚えています。
分からないことがあれば聞いてくれと言ってくれていたので、安心して洗濯機の設置に取り組むことが出来ました。

初めての設置と言う事もあって時間がかかります。
社員のドライバーはそんな私の仕事ぶりを見て、「焦らず急げ」と言葉を残し後片付けに行きました。
時間がかかっていることはわかっていましたが、慎重になりすぎて急ぐことを忘れていたのです。
配送はここだけではなく、このあとにも数件の配送が待っています。
私はこの言葉を聞いて我に返り、慎重に仕事をするとともに急ぐことにしました。
途中から急いで仕事をしたおかげで、時間のロスはほとんどなく洗濯機を設置することに成功しました。
念のために見てもらうとばっちりと言ってくれました。
私は「焦らず急げ」という言葉について後で考えてみる事にしました。
配送の仕事と言うのは丁寧にしなければいけませんが、時間がかかってしまうとお客様にも迷惑がかかってしまいます。
配送の時間が決まっていますので、時間通りに配送していかなければいけません。
焦らずに急ぐことが配送の仕事では重要な事なのです。
数年後、私は助手から配送のドライバーになり助手を抱えて仕事をしています。
助手に教える事はたくさんありますが、私が教わった言葉は必ず教えるようにしています。
助手の成長にもつながるからです。
私が教わった社員は定年を迎えて退職してしまいましたが、気持ちだけは引き継いでいます。