諦めが早すぎましたね

投稿者:えすび (1967年生まれ/女性/新潟県在住)

私には学生時代からやりたい仕事がありました。
しかしそれは単なる願望で、現実的ではありませんでした。
その仕事に就くためにわざわざ親から高い学費を出してもらっても、卒業後にちゃんと就職できる自信がなかったのです。

不安定な仕事に就くならば安定した仕事をしようと思い、消去法で事務職として就職しました。
しかし、やはりそのような気持ちで就職したので、やりがいが見いだせませんでした。
学生時代の友人たちは、みな自分のやりたい仕事に就くために進学しました。
私はそれを横目で見ながら羨ましく思いつつも、どんな仕事がやりたいのかが漠然としたままわからずに、遊ぶことで気を紛らわせる日々。
いつも心のどこかに満足できない自分がいました。

数年経って、転職をして派遣社員としてある会社に事務職として採用されました。
期間雇用だったのでそれほど長くはいませんでしたが、その会社は自分がやりたいと思っていた仕事に関係した業界でした。
しかし自分にはまったく経験が無いため、当然ながら事務以外専門的な仕事はさせてもらえません。
その頃の私は仕事に対して諦めの気持ちがありました。
経済的なことを優先して、やりたいことよりも今できる仕事を優先していたのです。

すると、やりたい仕事だった職種で専門学校を卒業したばかりの新入社員が入社してきました。
私はその新入社員がやっている仕事に興味があり、いつの間にかその仕事についていろいろと聞いたりしていました。
私が「自分も本当はこのような仕事がしたかったんだよね」と話をすると、その新人に「諦めが早すぎましたね」と言われました。
その時に私の中で考え方が変わったのをはっきりと覚えています。

その後、私はその派遣の仕事が終わって、職業訓練という形でまずはその専門的な仕事の勉強を始めました。
その後短大で、専門的にその分野の勉強をして、その道に進んでいます。

今思えば、あの時のあの言葉がなければ、今の私はなかったかもしれません。
心に残る言葉には年齢は関係ないのだと思います。
自分の職業人生に大きな影響を与えてくれたあの新人の方にに感謝しています。

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