大丈夫。何をミスしても、最後には必ず何とかなるから

投稿者:mini (1990年生まれ/女性/岩手県在住)

人間関係を築くのが下手で、同時に人から怒られることに以上に怯える性格だった私は、まだ若いにも関わらずいくつかの職場を転々としていました。
そしてある年の春に、私が4社目に入社したのが地元の歯科医院。
田舎の小さな歯科医院であったその場所は院内の空気が柔らかく、それまでキツい性格の同僚ばかり経験してきた私にとって、そこで働く人たちはとても穏やかな方ばかりでした。

それでも今までのトラウマから、私は仕事での失敗に対して異様にびくびくしていました。
どんなにほんの少しのミスでも怒られると身構え、ぺこぺこと謝ります。
そんな私に、私より何十年も前に入社した先輩が言いました。
「大丈夫。何をミスしても、最後には必ず何とかなるから」

小さなミスでも重大にとらえて青い顔をしていた私は、その言葉で動きを止めました。
その歯科医院の人達は、誰がどんなミスをしても決して怒ろうとはしません。
「こうした方がいい」という改善点はもちろん伝えますが、すみませんと謝ると必ず「大丈夫だよ」と笑ってくれるのです。
何をミスしても、最後には必ず何とかなる。
ミスしたことに対して怒りを覚えず、そのミスを直すためだけに全力を注げる人が言う言葉だと、私は思いました。

考えてみると今までの経験上、職場でミスをしても最後には必ず挽回できていました。
ただ、怒られた時と「大丈夫だよ」と言われた時では、その挽回するまでにかかる時間に違いがあったのです。
どうせ最後に何とかなるのなら、無駄に怒って社員のモチベーションを下げるような真似はしない。
私が働き始めた歯科医院の人達は、全員がそのような考えの持ち主でした。

私の先輩であり、同僚であるその人の言葉に、私はどれだけ救われたでしょうか。
最後には何とかなると、ミスしたことに対して責任を感じないのは当然悪いことです。
かといって一度反省したのなら、無駄にびくびくする必要はありません。
私はその言葉に背中を押されたような気がしました。

先輩にそう言われてから、私がミスに対して異様に怯えることはなくなりました。
むしろ「何とかなるから大丈夫」とのんきに考えることによって、前ほどミスを繰り返さなくなったように思います。
気の持ち方ひとつで、ミスへの姿勢や防止にもなるということ。
「大丈夫。何をミスしても、最後には必ず何とかなるから」という言葉を、今後入社してくる後輩に私も伝えたいと思います。

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